シャトレーゼに追い抜かれた不二家……新発売の「どら焼き」を実食比較してわかった“強み”
東京・中野ブロードウェイには、日本が誇る2大洋菓子チェーン店の不二家とシャトレーゼが、まるでにらみ合うかのように真向いに店を構えているのをご存じでしょうか?
「洋菓子チェーンといえば不二家」の時代も今は昔、近年はシャトレーゼが急成長を遂げており、国内外で1,000店を展開。LINE株式会社が運営する「LINEリサーチ」が2022年12月、全国15~64歳の男女を対象に、一番好きな洋菓子のチェーン店を調査したところ(サンプル数5,254)、1位はシャトレーゼ、不二家は2位という結果でした。
そんなライバル関係にある両店ですが、不二家が2月中旬に、「ペコちゃんどら焼き(小倉)」「ポコちゃんどら焼き(きざみ栗)」を新発売。どら焼きといえば、シャトレーゼの主力商品の一つであり、「北海道産バターどらやき」は頻繁にメディアで紹介されています。
不二家がシャトレーゼに真っ向からリベンジを挑んできた……そんなピリピリした空気を察知した私は、早速、中野ブロードウェイに足を運び、両店のどら焼きを購入してきました!
※価格はすべて税込。
※店舗によって取り扱う商品が異なる場合があります。
※詳細は公式サイトをご確認ください。
目次
・不二家とシャトレーゼ、各どら焼きの値段は?
・不二家とシャトレーゼ、どら焼きの生地の違いは?
・不二家とシャトレーゼ、栗どら焼きの甘みの違いは?
不二家とシャトレーゼのどら焼き、値段は「不二家のほうが安い」
話に聞いていた通り、中野ブロードウェイ1階では、不二家とシャトレーゼが真向いに位置しています。なんでも不二家は長年この場所で営業していたものの、一昨年7月、突如シャトレーゼがオープンしたそうで、当時は近隣住民もザワついたといいます。
まずは不二家で「ペコちゃんどら焼き(小倉)」「ポコちゃんどら焼き(きざみ栗)」を購入。いずれも140円でした。
時間は午前10時頃、店の敷地がシャトレーゼの半分以下なのもあってか、私以外のお客さんは1人だけ……。ややもの悲しい雰囲気が漂っています。
次にお向かいのシャトレーゼへ。オープン当初は大行列ができていたそうですが、店内には5人前後のお客さんが買い物を楽しんでいました。
やはりどらやきは人気のようで、道行く人の目に留まりやすい店の表にコーナーが設置され、各種どらやきが大量に積み上げられています。
今回は不二家の新商品と比較するため、類似品である「北海道産大納言どらやき」(151円)と「熊本県産和栗どらやき」(237円)を購入。値段だけ見ると、不二家のほうが安いということがわかりました。
不二家VSシャトレーゼその1:どら焼きは生地が一番の違い
自宅に持ち帰って早速4商品をテーブルに並べてみました。
「ここ最近、シャトレーゼにやられっぱなしの不二家だけど、実はシャトレーゼに勝るおいしい商品を販売していた」……そんな熱い展開を期待して、それぞれ実食していきます。
まずは不二家「ペコちゃんどら焼き(小倉)」とシャトレーゼ「北海道産大納言どらやき」からいただきます。前者は北海道産の小豆、後者は同じく北海道産の大納言を使用。大納言は普通の小豆より糖分が多いそうです。
「ペコちゃんどら焼き(小倉)」にかぶりついて最初に感じたのは、生地が少しパサパサしているな? という点。
続いて「北海道産大納言どらやき」を食べると、生地にしっとり感があったため、ここが一番大きな違いだと感じました。
「ペコちゃんどら焼き(小倉)」は正直、飲み物と一緒に食べないと全部食べるのがきつそうである一方、「北海道産大納言どらやき」は飲み物ナシでも完食できそうです。
次に、生地の味ですが、「北海道産大納言どらやき」は「ペコちゃんどら焼き(小倉)」より卵の味が口の中に広がりました。逆にいうと「ペコちゃんどら焼き(小倉)」はすっきりした味わいなんですね。
その影響からか、生地があっさりしている「ペコちゃんどら焼き(小倉)」のほうが、あんこの味がより際立っている印象。ただあんこだけを食べてみると、「北海道産大納言どらやき」のほうが甘みは強かったです。
どちらがおいしいかという点では、温かいお茶と一緒に食べる場合は不二家のほう、単品で食べるのならシャトレーゼ! 甲乙つけがたい判定になりました。
不二家VSシャトレーゼその2:栗どら焼き、甘党の人はシャトレーゼ一択
続いて、不二家「ポコちゃんどら焼き(きざみ栗)」とシャトレーゼ「熊本県産和栗どらやき」を食べ比べていきましょう。値段を見ると、約100円の差があります。
2つのどら焼きを割ってみて思ったのですが、前者は栗入りつぶあん、後者は栗ペーストと栗甘露煮が使用されているため、あんにおける栗の存在感に大きな差が生じていました。
まずは「ポコちゃんどら焼き(きざみ栗)」を一口。
つぶあんの中に、きざみ栗の食感と味わいがあり、うまい! あっさりした甘さなので、甘党ではない人でもおいしく食べられると思いました。一方、生地は「ペコちゃんどら焼き(小倉)」同様、パサパサ系なので、こちらも飲み物は必須といえるでしょう。
次に「熊本県産和栗どらやき」を口にすると……一気に栗の風味が口の中に広がります!!
ゴロゴロとした栗の食感もしっかりあり、きざみ栗との違いは歴然。また甘みはかなり強いです。しっとり系の生地にも甘みがあり、甘党の方には満足度が高い一品といえるでしょう。
どちらがおいしいかと聞かれると、シャトレーゼに軍配! 100円高いのも頷けますが、甘党ではない方は、不二家のほうが気に入るのではないでしょうか。
シャトレーゼの快進撃のせいで、すっかり影が薄くなった不二家にスポットライトを当てたいともくろんでいたものの、シャトレーゼはやっぱりおいしかった……!! しかし、不二家のすっきりした味わいのどら焼きは、子どもや年配の方には好まれるだろうなという感想を抱きました。そこが不二家の強みなのかもしれませんね。
今後もシャトレーゼと不二家が切磋琢磨して、おいしいスイーツを開発してくれることに期待したいと思います。