『いちばんすきな花』人気なのに「ハマれない人」6つの理由! 裏テーマとの関連も?
12月7日、多部未華子、松下洸平、今田美桜、神尾楓珠がクアトロ主演を務める連続ドラマ『いちばんすきな花』(フジテレビ系)の第9話が放送された。
同ドラマは、年齢や立場が違う男女4人が登場し、恋愛模様だけでなく「男女の間に友情は成立するのか?」という永遠のテーマを問う作品。昨年、大きな話題となった川口春奈主演ドラマ『silent』(同)の脚本家・生方美久と同局プロデューサー・村瀬健氏が再びタッグを組んだフジの意欲作だ。
ネット上では「繊細な脚本が素晴らしい!」「登場人物が全員愛おしすぎる」と賛辞が寄せられている同作だが、第8話では、それまで名前しか出てこなかった物語のキーとなる人物・志木美鳥(田中麗奈)が登場したため、SNS上で“美鳥ちゃんの答え合わせ”と大きな話題に。
また12月8日現在、民放公式動画配信サービス「TVer」の“お気に入り数”で146.8万を記録し、今期連ドラの中でダントツのトップとなっている。
そんな熱心なファンから支持されている『いち花』だが、ネット上では「『Silent』好きだったから見始めたけど、全然ハマれなかった」と落胆する声も少なくない。『いち花』にハマれない理由は、一体なんなのか……。ネットユーザーの声を元に、いくつかピックアップしたい。
『いちばんすきな花』にハマれない理由(1)
“偶然”の展開に冷める
『いち花』は、「偶然出会う」「偶然再会する」「偶然知り合いが同じ」といった“偶然”がよく描かれる。ドラマでは珍しくない展開ともいえるが、視聴者によっては「度を超えていると冷める」という意見もあるようだ。
例えば第1話では、椿(松下)の母(美保純)から、椿の結婚祝いに渡す花を配達するよう頼まれたゆくえ(多部)が、自宅を訪れた際、椿と夜々(今田)と知り合い、さらには幼なじみの紅葉(神尾)とも再会。『いち花』を象徴する運命的なシーンであるが、放送当時、ネット上で「もう少し4人が自然に集まれる展開はなかったのか?」という疑問の声が上がっていた。
続く第2話では、交際を迫る同僚から逃走した夜々が公園に行きつくと、そこにはなぜか1人でブランコに座っている紅葉が……というシーンも。さらに第8話で登場した美鳥に関しても、主人公の4人全員と“知り合いだった”という奇跡的な展開が描かれた。こうした“偶然”に冷めてしまう視聴者は少なくないようだ。
『いちばんすきな花』にハマれない理由(2)
悩みが“中二レベル”に感じてしまう
早々に意気投合した4人の主人公は、「学生時代、2人組を作るのが苦手だった」「表向きは“無個性のいい人”になってしまう」などと自身が抱えて来た悩みを続々と告白。
これに、多くの視聴者から「共感性が高い」「私の悩みと同じ!」との声が集まったが、一方で「いい歳して悩みが中2レベル」「大人がその程度のことで悩めてうらやましい……って皮肉も言いたくなる」といった指摘も。
視聴者の中には、主人公たちの悩みが子どもっぽく見えてしまう人もいるようだ。
『いちばんすきな花』にハマれない理由(3)
4人を正当化する演出が気になる
周囲と考え方が合わないことが多く、生きづらさを感じてきた主人公たちだが、一部の視聴者からは「4人を正当化するためか、モブキャラの性格が悪すぎる」との指摘も見られる。
例えば第2話では、イラストレーター志望の紅葉がバイト先で、自分のイラストを褒めておけば“シフトを代わってくれる”と話しているバイト仲間の会話を偶然耳にする。
一方、友人の結婚式で新婦の“両親への手紙”に感動し涙した夜々は、その帰り道で一緒に参列した女友達が「きつかった~」「感動ハラスメント」「やってるほうは気持ちいいんだろうけど」と新婦に悪態をついたため、困惑。
さらにこの直後、自宅で待ち伏せしていた同僚・大貴(泉澤祐希)とすったもんだあった末、面と向かって「この子ね、顔がいいだけだよ」と吐き捨てられるのだ。
これらは主人公の生きづらさを正当化するための演出かもしれないが、「こんなに性格の悪い人たち、そうそういない」とリアリティ不足を指摘する声も散見された。
『いちばんすきな花』にハマれない理由(4)
主人公たちのクセが強すぎる
同作は毎回、主人公たちが「ゴミ袋の袋をゴミ袋として使うのは、ありかなしか」「間違い探しの答え合わせって、変な日本語じゃない?」いった独自の着眼点を披露し合うシーンが見どころ。しかし、主人公たちのクセが強すぎる性格が際立つあまり、「男女の間に友情は成立するのか?」というド定番のテーマに結び付けられないと嘆く視聴者も。
『いちばんすきな花』にハマれない理由(5)
会話が面倒くさく感じてしまう
第1話放送直後から視聴者の声で多かったのが、主人公たちの会話に対する「とにかく面倒くさい」「誰かが『価値観の違いじゃない?』って言ったらすぐ終わる会話をダラダラやってる」という声。
主人公たちの“面倒くささ”こそが『いち花』の魅力でもあるのだが、思わずイライラしてしまった視聴者も少なくないようだ。
『いちばんすきな花』にハマれない理由(6)
主人公4人が同じ人格に見える
性別や年齢、育ってきた環境が異なり、それぞれが違った悩みを抱える主人公たちだが、一部視聴者からは「全員、脚本家の生方さんがしゃべってる言葉に聞こえる」という意見もある様子。セリフに不自然な言い回しも多いため、視聴者にそう感じさせてしまうのかもしれない。
『いちばんすきな花』にうわさされる“裏テーマ”とは?
なお、同作に関しては、裏テーマとして“隠れHSP”があるのではないかと臆測する声もある。HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)とは、“生まれつき感受性が強く、敏感な気質もった人”のことで、人口の15~20%がこれに当たるという統計もあるようだ。
もし、『いち花』が“隠れHSP”の人々を描いた作品なのであれば、心に刺さる視聴者と共感できない視聴者に分かれるのは当然といえるだろう。
そうなると、「男女の友情は成立するのか?」というメジャーなテーマをプロモーションで掲げた影響により、一部から「共感できない」と切り捨てられてしまった可能性も出てくる。
最終回へ向け、いよいよ佳境を迎える『いち花』。「共感できない」と一度脱落してしまった人も、見方を変えれば新たな気づきを得られるかもしれない。