売れっ子にはそれなりの理由が！

2023年秋アニメ出演数ランキング、第1位の声優は？　「息が長そう」「人柄もいい」

2023/12/06 21:06

勅使河原みなみ（ライター）

　Wikipediaの情報をもとに、アニメやゲームなど声優たちの共演作品を検索できるウェブサイト「声優共演検索」が、情報サイト「アキバ総研」「アニメイトタイムズ」の記事から算出した「2023年秋アニメ出演数順声優リスト」を公開している。

　トップ3を見ていくと、第1位に輝いたのは日笠陽子（38歳）で出演本数は12本。主演を務めるのは、中国発の異世界ファンタジーアニメ『攻略うぉんてっど！～異世界救います!?～』（TOKYO MXほか）のみだが、そのほか11本でメインキャラクターを演じる売れっ子ぶりだ。

　以降、第2位には浪川大輔（47歳）と杉田智和（43歳）が10本で同数ランクイン。さらに、江口拓也（36歳）、畠中祐（29歳）、村瀬歩（34歳）、花江夏樹（32歳）、梅原裕一郎（32歳）、瀬戸麻沙美（30歳）、小西克幸（50歳）ら7名が9本で4位と拮抗している。

　なお、上位10名中8人が男性声優で、それぞれの年齢を見ると、20代1名、30代6名、40代２名、50代1名と、30代声優の活躍ぶりが目覚ましい。特に、江口は『SPY×FAMILY Season 2』（テレビ東京系）『葬送のフリーレン』（日本テレビ系）『転生したらスライムだった件コリウスの夢』（同）『東京リベンジャーズ天竺編』（テレビ東京系）など、ビッグタイトルに多数出演していることがわかる。

　このように、今回の結果には、声優界のトレンドが現れているともいえそうだが、業界関係者はこのランキングをどのように分析するのだろうか。

「2023年秋アニメ出演数」ランキング1位、日笠陽子は「声優として息が長そう」　

「まず、1位の日笠は、幅広い役柄を演じ分けられるタイプ。可もなく不可もなく、どの役を与えても及第点を取れる声優だけに、制作側が“使いやすい”のでは。それに彼女は、『アイドル売り』に比重を置いているわけではなく、演技力で評価を得ている。30代の女性声優ではこういったタイプがなかなかいませんから、声優として息が長そうな印象。声質、スキル、人柄ともにバランスも良い。声優養成所・日本ナレーション演技研究所時代には特待生に選ばれていますし、もともと実力があったのでしょう」（音響スタッフ）

　実力はもちろん、人柄も高く評価されている様子の日笠に対して、4位の江口は、「素行がよろしくないタイプ」（同）なのだとか。その言葉通り、15年11月に、匿名掲示板に本人と思われる“ベッド写真”が流出したほか、20年6月にはニュースサイト「フライデーデジタル」で18年に引退した元声優・遠藤ゆりかとの“極秘同棲”疑惑をスクープされるなど、たびたび問題を起こしてきた。

「なかなか奔放な人で、金遣いが荒く、あればあるだけ使ってしまうタイプ。長身で顔立ちも整っていますから、相当モテると思いますよ。彼が所属している81プロデュースは、所属タレントの管理がしっかりしていることで知られていますが、江口は事務所側の注意をとことん無視しているとか。ただ、私生活はともかく、演技は決してヘタではありません。人気アニメのメインキャラを張れるくらいですし、30代中盤の男性声優の中では難なく演技ができるほうだと思いますよ」（同）

声優・小西克幸、『鬼滅の刃』宇髄役で「ヒーロー的ポジション」の役ゲットなるか

　また、同率4位の小西は「昔から売れていたものの、声優・関智一と距離を置くようになってから、自分自身の芝居ができるようになった」（同）という。

「小西は関にとても憧れていて、彼に似た芝居をしていたんです。関が座長を務めている劇団ヘロヘロQカムパニーにも所属していましたが、今は休団中。いつからか関と距離を置くようになり、彼らしい芝居ができるようになった印象です。現在出演本数が多いのは、彼自身の芝居が認められているということですから、とても良い傾向なのでは」（同）

　さらに、小西は「もともと低めの声で、ヒーロー的ポジションの芝居ができる人」という評価も。

「『鬼滅の刃』シリーズでも、宇髄天元という人気キャラを射止めましたし、今後もこの役をきっかけに良い役が得られるのではないでしょうか。また、彼が所属している賢プロダクションはいいマネジャーが多く、魅力的なタレントも多く所属しています。小西は演技の幅が広く、二枚目も三枚目も演じられる力を持っているからこそ売れているといえる人。今後も安泰だと思いますよ」（同）