【中学受験】御三家を狙うわけでもないのに……エリート塾に入れたがる親への違和感
――Twitter文学で描かれる「タワマンに住んで子どもをサピックスに通わせる」というライフスタイルに本気で憧れる層がいるんですね。ただ、ママがハイブランドのバッグを持って優越感を持っても誰も犠牲になりませんが、そういった感覚でエリート塾に入れられると、場合によっては子どもが気の毒ですね。
杉浦 サピックスの入室テストは難易度が高く、学力が高くないと受からないといううわさも聞きますが、拙著『中学受験 やってはいけない塾選び』の中で、サピックスの広野雅明教育事業本部長が「8割、9割は合格します」とコメントしてくださっています。つまり、公立小学校の授業についていっている子どもなら、確実にサピックスの入室テストに受かるんですよ。1回目は要領がわからなくて不合格なこともありますが、たいていは2回目は合格をします。
だけど、そういう情報はSNSなどではあまり拡散されません。なぜなら、親御さんたちが「サピックスの入室テストに受かるのはすごい」と信じたいからでしょう。そして、そういう層がいまの中学受験の過熱を支えていると思います。
――子どもの塾選びに親のブランド志向が出てしまうのは、やはり違和感があると感じてしまいます。
杉浦 サピックスもグノーブルも優秀なテキストを使用し、講師の質も高く、素晴らしい塾です。ただ、その内容を評価するのではなく、ブランドステイタスだけで塾を選ぶのには違和感があります。小学生が3年間通う場所なんですから、やはりちゃんと中身を見て「うちの子に合うか」という基準で塾選びをしていただきたいなあと願っています。
【著書紹介】
『中学受験 やってはいけない塾選び』(青春出版社)
中学受験は、子どもと家庭に合う「塾選び」が成功の鍵を握る―― 首都圏・関西の大手から中小塾、話題の単科塾、 個別指導塾まで最新情報を徹底取材。先輩パパ・ ママの塾選び失敗談から、四大塾(サピックス、日能研、 四谷大塚、早稲田アカデミー)の実際、 難関校に強い塾などを解説する最強の塾ガイド。