「#ブギウギ反省会」タグがついに活発化――朝ドラ不評の原因をテレビ関係者が考察
NHK連続テレビ小説『ブギウギ』のストーリー展開に、ネット上で疑問の声が噴出している。というのも、趣里演じるヒロイン・スズ子が脇役になってしまっているのだ。
「『ブギウギ』は、戦後の大スター・笠置シヅ子さんの半生をモデルにしたフィクションですが、ここまでは、ほぼ史実通りと思われます。劇中では、スズ子が入団している梅丸少女歌劇団(USK)で団員たちが待遇改善を求めたストライキ、いわゆる『桃色争議』が勃発。みんなを率いて山寺に立てこもったリーダー・大和礼子(蒼井優)が、その責任を取らされて歌劇団を辞めさせられることになりますが、現実でも同じ名称のストライキが松竹少女歌劇部(後の松竹歌劇団)で起き、その中心人物が劇団を追われています」(芸能ライター)
ストライキの間、スズ子は一応、礼子の行く末をそばで見守っているのだが、特にその労働争議に大きく絡んでいくわけでもないのだ。
「スズ子の傍観者的な立場に対し、X(旧Twitter)上では、ドラマのネガティブな点について話す『#ブギウギ反省会』タグも活発化してきました。『スズ子がいなくても話が進む作り』『スズ子と礼子、どっちが主役かわからん』『主人公が話の中心になりきれてない』『主人公がずっと消えている印象』といった声が出ています」(同)
前作『らんまん』の第3週までの平均視聴率は17%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)を超えていたが、『ブギウギ』は第1週でこそ16%を上回っていたものの、2週、3週目は15%強と、わずかだが落ちている。
また、視聴者から不満が出ているのは、ヒロインの描き方だけではないようだ。
「例えば、まだ幼いスズ子を、歌声を聞いただけで特別に研究生として劇団に入れた林部長(橋本じゅん)。今後のストーリーにも深く絡んでくるのかと思いきや、たまに稽古に顔を覗かせる程度です。ストライキの際は、劇団員側に立ち、社長の大熊(升毅)と対峙しますが、礼子を辞めさせるという大熊の前に、それ以上何も言えないなど、たいした働きはしませんでした。そのほか、スズ子の後輩・秋山美月(伊原六花)も、その有能さゆえ、最初でこそ研究生たちに厳しくあたり、波風を起こしていましたが、ストライキ編になると、そのキャラが極端に目立たなくなっている」(テレビ業界関係者)
『ブギウギ』スズ子の両親や個性的な脇役も影が薄くなり……
もったいない配役はUSK周りだけではないとのこと。
「スズ子の父親で、脚本家になる夢をまだ諦めきれずにいる飲んべえの梅吉(柳葉敏郎)、その妻・ツヤ(水川あさみ)も、スズ子がUSKに入った後は、娘の人生に大きく関わるシーンがありません」(同
ほかにも、最初こそ、商店街の占い師(なだぎ武)や、アホのおっちゃん(岡部たかし)、記憶喪失のゴンベエ(宇野祥平)といった個性的な脇役キャラで賑わっていたが、彼らの出番もなくなってしまった。
「先述の通り、史実に少し肉付けしたストーリーにしかなっていないため、その“年表”に必要のない人物は極力登場させない方針なのでしょう。それでいて、スズ子が物語の傍観者になっているため、“誰の物語”なのかがわからなくなってきています」(同)
礼子が去ったあと、スズ子が、その穴を埋めるようにUSKのスターになっていくことを願いたいが、そこに至るまで視聴者はついてきてくれるだろうか。