大沢たかおの意欲作『沈黙の艦隊』を抑えた1位は? 全国映画館動員ランキング【2023年9月29日~10月5日】
田村由美氏の同名大人気コミックス(小学館)を菅田将暉主演で実写化したフジテレビの大ヒットドラマシリーズの劇場版『ミステリと言う勿れ』が全国の映画館動員ランキング(興行通信社調べ、9月29日~10月5日)で前週に引き続き1位を獲得した。
同作は広島を舞台に、とある一族の遺産相続争いに巻き込まれた主人公・久能整(菅田)が、その闇の歴史に秘められた謎を解き明かしていくさまを描く。ドラマシリーズの劇場版はここ数年、アニメ同様鉄板のコンテンツとなっており、動員はすでに250万人を突破し、興収も34億円を記録する大ヒットに。菅田に限らず、松下洸平や萩原利久など、地上波ドラマで主役級の活躍を見せる若手実力派俳優が脇を固めている。
かわぐちかいじ氏の同名人気コミックス(講談社)を大沢たかお主演で実写映画化した『沈黙の艦隊』は初登場2位でスタート。同作は最新鋭の原子力潜水艦と核ミサイルを手に、独立国家樹立を宣言した主人公と乗組員たちの運命を、日米それぞれの思惑が交錯する熾烈な攻防の行方とともに描く。
大沢自らプロデュースも担当した意欲作で、公開11日間で動員62万9974人、興収8億5728万円を記録。SNS上ではキャスティングに加え、自衛隊や潜水艦の見せ方などの評価も良く、ロングランが期待される。
3位にはキアヌ・リーヴスが伝説の殺し屋ジョン・ウィックを演じる大ヒットアクションシリーズの第4弾『ジョン・ウィック:コンセクエンス』がランクインした。同作は裏社会を支配する主席連合と決着をつけるべく立ち上がったジョン・ウィックが、壮絶な死闘を繰り広げる。ドニー・イェンなど、本格アクションスターが多数登場し、日本人では真田広之と歌手のリナ・サワヤマが出演。上映時間は約3時間と長いが、アクションシーンの見せ場が好評で、ネット上でも絶賛の声が目立つ。
4位には、直木賞作家・黒川博行氏のベストセラー小説『勁草』(徳間書店)を原作としたクライム・サスペンス『BAD LANDS バッド・ランズ』が入った。監督は原田眞人氏、メインを安藤サクラ、Hey!Say!JUMP・山田涼介が務めている。同作は特殊詐欺グループに身を置く主人公(安藤)とその弟(山田)が、犯罪組織や警察から追われながらも、過酷な裏社会をしたたかに駆け抜けていく物語。ランキングの上位3作と同じく本作もSNSでの評価が高く、「今年一番のダークホース」「漫画的な雰囲気や構成が良い」などの声が投稿されている。
5位は『プリキュア』シリーズ20周年記念映画、7位の『ホーンテッドマンション』はさすがディズニー?
5位は「プリキュア」シリーズの20周年記念映画となる長編アニメーション『映画プリキュアオールスターズF(エフ)』。同作は、5年ぶりに全テレビシリーズのプリキュアが大集合。プリキュアたちがバラバラに飛ばされてしまった不思議な世界を舞台に、それぞれに新たな出会いを重ね、シリーズの垣根を越えて絆を結んでいくプリキュアたちの姿を描く。子どもたちを中心にロングランが期待できそうだ。
6位には、「幸福の科学」創始者・大川隆法氏(今年3月に死去)の製作総指揮・原作の青春ファンタジー『二十歳に還りたい。』が入った。同作は一代で大企業を築き上げたものの、孤独な晩年を過ごしている80歳の主人公が、二十歳の青年に戻り、大学生として人生をやり直すストーリー。ハワイやカリフォルニア州など、日米で同時公開されており、どこまで興収を伸ばせるかに注目が集まる。
7位にはディズニーランドの人気アトラクションを実写映画化したエンタテインメント・ホラー・コメディ『ホーンテッドマンション』がランクイン。ハロウィンシーズン真っ只中なこともあり、もう少し上位にランクインしてもおかしくない作品だが、レビューサイトでの評判はイマイチ。それでも、39日間で動員136万人、興収20億円を突破しているのはさすがディズニー映画といったところだ。
8位は、無謀な夢に立ち向かった熱き挑戦者たちの姿を描くアクション・ドラマ『グランツーリスモ』。プレイステーションや日産が行うプロジェクト「GTアカデミー」(世界的に人気のドライビングゲーム「グランツーリスモ」のトッププレイヤーの中から、プロのレーシングドライバーを発掘・養成する取り組み)が、同作のもとになっている。監督は『第9地区』で有名なニール・ブロムカンプで、アーチー・マデクウィ、デヴィッド・ハーバー、オーランド・ブルームらが出演。
9位には漫画家・北条司氏原作の大人気テレビアニメシリーズ、通算5作目の劇場版アニメ『劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)』が入った。公開から32日間で興収9億5470万円と、10億達成は確実となっている。
10位は、主演に吉永小百合と大泉洋を迎えた巨匠・山田洋次監督の最新作『こんにちは、母さん』。こちらは公開39日間で動員81万7000人、興収10億円を突破した。
【全国映画動員ランキングトップ10(9月29日~10月5日 、興行通信社調べ)】
1位 ミステリと言う勿れ
2位 沈黙の艦隊
3位 ジョン・ウィック:コンセクエンス
4位 BAD LANDS バッド・ランズ
5位 映画プリキュアオールスターズF(エフ)
6位 二十歳に還りたい。
7位 ホーンテッドマンション
8位 グランツーリスモ
9位 劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)
10位 こんにちは、母さん