サイゾーウーマンコラム“中学受験”に見る親と子の姿中学受験第1志望校変更した女性の葛藤 コラム “中学受験”に見る親と子の姿 中学受験、小6秋の模試で「合格率20%以下」――「親が第1志望校を変更」の過去を引きずる28歳女性 2023/10/14 16:00 鳥居りんこ(受験カウンセラー、教育・子育てアドバイザー) コラム 中学受験、親から第1志望校を「受けさせない」と言われ……「旧世代には聞こえがいい」お嬢様学校に入学 「制服が気に入ったS中学に憧れていたんですが、6年秋になっても模試の判定結果は『合格率20%以下』。そのため、親から一方的に『受けさせない』と言われ、よく知りもしない安全校2校しか受験させてもらえなかったんです」 亜衣さんが受けたのは、いずれも伝統校。旧世代には聞こえがいいお嬢様学校ともいえる。実際、入学した学校には、特に悪い印象は持っていないという彼女だが、「今でも、S中に行けていたら、自分の人生は違っていると感じるんです。百歩譲って落ちたとしても、受験してダメだったならば、こんなに引きずっていなかったのでは? とも思います」。 亜衣さんは、中高ではジャズダンスをやりたいと思っていたものの、進学した学校には該当する部活がなく、親が勧めた茶道部に入部。しかし、部になじめず、ほぼ帰宅部として6年間を過ごした。 「成績だけは良かったので、学校からは国公立を目指してほしいと言われました。でも、親から『女の子なのに、万が一浪人になったら大変! MARCHに推薦で入れるなら、こんなに(聞こえが)いいことはない!』と説得され、たいして興味もなかった経済学部に進むことが決まりました」 就職活動でも、親の過干渉は続いた。親の条件は「聞こえがいい企業」「自宅から通える(=転勤がある総合職はダメ)」。結果的に、亜衣さんは名前の通りは良い金融機関に入ったが、「仕事は面白くはなかった」そうだ。そして、25歳を過ぎ、ようやく仕事にも慣れてきた頃から、今度は親から「結婚、結婚」とせっつかれるように。亜衣さんはそれが「うるさくて仕方がなかった」という。 「今年、28歳になったんですが、遅ればせながら、ようやく『自分の人生』について考えることができるようになって。今まで、親の言いなりで生きてきて、それが、普通だと思っていたんです。でも、心のどこかで『これらは私が決めたこと』ではないという気持ちを、ずっとくすぶらせていました。親の傍にいるのは安心安全ではあるんですが、『自分がやりたいことは何なのか?』ってことも考えられなくなっちゃうんですよ。それに気づいた時、愕然としました。私、自分が何をしたいかもわからないって……」 亜衣さんは、「せめて、自分が何をしたくて、何を望んでいるのかを知りたい。そのためには、親から離れないといけない」と思い、留学を決意。現在、知り合いも皆無だという異国で、毎日勉強に励んでいるのだそうだ。 次のページ 中学受験で第1志望校合格が危うい時、親がすべきこととは何か? 前のページ123次のページ 関連記事 中学受験、小6秋なのに志望校が決まらない! 焦った母が取った行動と待ち受けた“サプライズ”中学受験の大手塾に憤慨! 算数の成績下落、「先生が無理」という娘の主張はわがままなのか?小6初夏から中学受験は遅すぎる? 娘が伝統私立校に“駆け込み”で合格できたワケ中学受験で変わってしまった中1の孫――「Fラン大」「低偏差値」発言にショック!インター校からの中学受験は簡単ではない――英語コンプレックスを息子で解消しようとした母の告白