「ジャニーズさんがやってくれるから安心」会見のNGリスト炎上、他芸能プロも激震のワケ
創業者・ジャニー喜多川氏(2019年に死去)の性加害問題を受け、ジャニーズ事務所が10月2日、今後の会社運営について説明する記者会見を行った。その後、運営を担当したコンサルタント会社・FTIコンサルティングが、質疑応答で特定の記者を指名しないようにする「NGリスト」を作成していたことが発覚し、大炎上に発展。会見において質問者を選別する手法について、ネット上で反発の声が噴出していることから、今後は特定のマスコミに対する“出禁措置”にも影響が及ぶだろうと業界内で注目が集まってる。
「NGリスト」の存在は、会見終了後にNHKがスクープ。ジャニーズ、またFTIコンサルティングともに、リストの存在は認めたものの、作成にジャニーズ側は関与していないと釈明している。
「創業者が性加害を行っていたことへの謝罪、またそれを受けた新体制発表の場である記者会見で、なぜあのような『NGリスト』を作成してしまったのか……。当然、世間ではジャニーズサイドに批判が相次ぎ、会見のやり直しを求める声も多数見受けられます。結果的にジャニーズ事務所は先の会見で、信用回復どころか、さらにイメージダウンした印象です」(芸能ライター)
ジャニーズ事務所だけじゃない、「媒体NG」は多くの芸能プロでも
そもそもジャニーズ事務所は、一部記者に「質問NG」のルールを敷く以前に「『不都合なことを書かれる』『交流がない』といった理由で、特定の媒体を会見やイベントに出席させないことが慣例化していた」(週刊誌デスク)という。
「しかし、これはジャニーズに限ったことではありません。大手プロで『媒体NG』を出さないのはオスカープロモーションくらい……というレベルで、ほかの多くの芸能プロもジャニーズと同様の手法を取っています。『事務所サイドの意に沿わない記事を出す』という理由のほか、『誤報を打った』『イベントで撮影した写真を別の記事で使い回した』などのメディアに対し、事務所側がバツとして『媒体NG』すなわち出禁処分を下すこともあります。業界内ではこれまで、『媒体NG』が特別批判されることもなく、むしろ先のジャニーズの会見は、すべての媒体に取材許可を出していたことから、これまでに比べれば規制はむしろ緩かったといえます」(同)
しかし、「NGリスト」の存在が発覚したことにより、世間では「事務所側が媒体を選定する行為」についての批判が噴出。今後は質問者どころか、「媒体NG」まで撤廃されそうな気配も漂っている。この事態を、芸能プロ界隈はどう見ているのか。
「ジャニーズが今後『媒体NG』を全部なくすとなると、他芸能プロにも激震が走りそう。というのも、ジャニーズタレントを含む、多数の芸能人が出席する映画の制作発表会見などでは、事務所サイドの意に沿わない記事を出す媒体に対し、ジャニーズが率先してNGを出してくれるため、他事務所はありがたがっていました。『うちからNG媒体を指定すると、いろいろ角が立つけど、ジャニーズさんがやってくれるから安心』と、ある意味、同社を防波堤のように利用していた部分があるんです」(芸能プロ関係者)
しかし、「NGリスト」発覚で、芸能事務所がメディアよりも力を持つこと自体が悪となってしまっている現状だけに、「他事務所にとっても今後、不都合な場面が増えていきそうです」(同)という。
本来であればメディアと事務所が“対等な関係”であることが正常なはず。騒動の余波によって両者のパワーバランスが健全なものになればいいのだが……。