『ミステリと言う勿れ』2023年の連ドラ劇場版作品で初動トップ! 一方、大コケした映画は?
菅田将暉の主演映画『ミステリと言う勿れ』が9月15日に公開し、19日発表の全国週末興行成績に基づく映画ランキング(興行通信社調べ、以下同)で初登場1位に輝いた。原作は漫画家・田村由美氏が「月刊フラワーズ」(小学館)で連載中の人気タイトルで、「昨年1月期の月9ドラマ(フジテレビ系)も好評だっただけに、映画版はさらに興収を伸ばしそう」(映画誌ライター)と期待されているようだ。
連ドラ版と同様に、今回の映画版『ミステリと言う勿れ』でも菅田が主人公・久能整役を好演。広島の名家・狩集家をめぐる遺産相続事件の謎を解明していくストーリーで、原菜乃華、松下洸平、劇団EXILE・町田啓太、萩原利久、柴咲コウ、鈴木保奈美、滝藤賢一ら豪華キャスト陣が脇を固めている。
「全国360スクリーンで封切られた同映画は、初日から3日間で観客動員数60万9600人、興行収入8億5000万円をあげたとのこと。鑑賞したというネットユーザーからは『原作ファンでも満足できた』『ミステリー作品の中でもかなり面白く、よくできている』『終始飽きずに見ていられる』などと好意的な声が多く寄せられています」(同)
『イチケイのカラス』初日から3日間の興収2億3600万円、『ネメシス』は……
今年は、『ミステリと言う勿れ』以外にも、劇場版が公開されたゴールデンプライム帯の連続ドラマ作品がいくつかある。
「例えば、2021年4月期に月9枠で放送された竹野内豊主演の『イチケイのカラス』は、今年1月に劇場版が公開。ただ、全国332スクリーンと大規模上映作品ながら、初日から3日間の動員は約18万人、興収は2億3600万円だったことを踏まえると、『ミステリと言う勿れ』の勢いの強さが見て取れます」(同)
なお、『映画 イチケイのカラス』は映画ランキングで初登場3位を獲得。決して悪くはない順位だが、当時の1位は公開7週目だった『THE FIRST SLAM DUNK』、2位も公開10週目だった『すずめの戸締まり』で、人気アニメ映画2作品に敗北している。
「また、同じく21年4月期に連ドラ放送されていた『ネメシス』(日本テレビ系)も、今年3月に『映画ネメシス 黄金螺旋の謎』としてスクリーンに登場。連ドラ版と同様に広瀬すずと嵐・櫻井翔がダブル主演を務め、全国346スクリーンと大規模上映されましたが、映画ランキングでは初登場3位。しかも初日から3日間の動員は16万2000人、興収2億円と、人気女優&人気ジャニーズのダブル主演作にしては『大コケ』といえるスタートでした」(同)
ちなみに、同週のランキング上位は、King&Prince・永瀬廉がゲスト声優を務め、公開5週目だった『映画ドラえもん のび太と空の理想郷』が1位、Snow Man・目黒蓮が主演し、公開3週目だった『わたしの幸せな結婚』が2位。櫻井は、後輩ジャニーズたちの出演作に太刀打ちできなかったことになる。
『TOKYO MER』は『マリオ』『コナン』に敗北するも健闘
「そのほか、21年7月期にTBS系の看板枠『日曜劇場』で鈴木亮平が主演した連ドラ『TOKYO MER~走る緊急救命室~』は、今年4月に『劇場版TOKYO MER~走る緊急救命室~』として公開し、やはり映画ランキングでは初登場3位でした。とはいえ、全国364スクリーンで上映開始しただけあって、初日から3日間で動員58万6000人、興収7億9200万円を記録しました」(同)
同週のランキングでは、『劇場版TOKYO MER』と同じ日に公開された『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』が1位を獲得し、2位も毎年話題になる『劇場版「名探偵コナン」』シリーズの最新作『名探偵コナン 黒鉄の魚影』(公開3週目)だった。この2作品に続いて3位に食い込み、動員と興収も好成績を収めた『劇場版TOKYO MER』は、十分健闘したといえるだろうが、「現段階で、初動においては『ミステリと言う勿れ』が、今年公開の連ドラ劇場版作品のトップ」(同)ということになる。
「一方、本来は天海祐希主演の人気連ドラシリーズ『緊急取調室』(テレビ朝日系)も、6月に『劇場版 緊急取調室 THE FINAL』が公開されるはずでした。しかし、メインキャストの1人である歌舞伎俳優・市川猿之助が、5月に自宅で両親とともに倒れていたことで救急搬送され、のちに両親に対する自殺幇助で逮捕されるという事件が発生。そのため『劇場版 緊急取調室』は公開延期が発表されましたが、9月20日現在も新たな公開日はアナウンスされていません」(同)
満を持して公開される時には、『ミステリと言う勿れ』のように初週から勢いに乗れるといいが、果たして……。