ポイ活が趣味の堅実なママ友が「ママ起業」! セミナーの誘いを断ったら“既読無視”に
起業したい人に向け、そのノウハウを指南するオンラインサロンやメールマガジンなどは、この世に山ほど存在している。なかでもママをターゲットにした起業セミナーやコンサルティングは最近よく目にするが、景気が低迷するこのご時世、「私が収入を増やさねば」という主婦層は多いのだろう。
一口にママ起業といっても、その内容はさまざま。特技を生かしてハンドメイドを販売したり、ネイルサロンやマッサージサロンを自宅で開業したりするママのほか、育児や子育てのアドバイザーなどの肩書でセミナーを開催するなど、新事業で起業を行うママも台頭している。今ある技術や知識を生かすことができればいいが、新たに資格を取得したり、設備投資までして起業するのは、今の時代なかなかのギャンブルともいえる。
専業主婦の真里香さんは、ママ起業向けのセミナーを受講した影響から、自分のスキルを生かした商品を販売すれば、かなり儲かると考えたのだろう。確かに向こう見ずなところがあることは否めないが、現在の日本では、子どもがいると正社員採用はおろか、非正規雇用で採用されるのすら難しい。それでもどうにか収入を増やしたいと考えた時、つい目先のおいしい話につられてしまうのは致し方ない面もある。
今回、香菜さんは真里香さんに対し、はっきり騙されている可能性を指摘していたが、たとえ腹が立ったとしても、または真里香さんのことが心配だったとしても、それは避けたほうがよかったかもしれない。
ママ友は、子どもの習い事や学校など、コミュニティが重なっていることが多い。真里香さんとの付き合いを避けたとしても、彼女と交流のあるママとは学校行事や委員活動などで会う機会もある。何かの拍子で真里香さんとトラブルが起きたことがうわさになるかもしれないし、自分が悪く言われてしまうケースも考えられるだろう。普通の友達のように、アドバイスすることで仲が深まるわけではないので、ママ友付き合いには「相手には相手の事情がある」という割り切りも必要だ。
真里香さんの誘いを断りたいなら、「ほかで働くのを禁止されている」など、仕事を理由にすれば、角が立ちにくかったはずだ。ママ友付き合いは、子どもが同じ学校に通っている場合は続いてしまう。今回の起業のようなお金が絡む話や、同じように経済力が関係してくる子どもの教育方針といった家庭の事情には首を突っ込みすぎず、ほどよい距離感を保つことが大切だろう。