コラム
“噂の女”神林広恵の女性週刊誌ぶった斬り!【第659回】

滝沢秀明氏はジャニー氏の性加害問題から逃げた? 事務所の責任を無視し非難する「女性セブン」

2023/07/18 21:00
神林広恵(ライター)
「女性セブン」7月27日号(小学館)(C)サイゾーウーマン

下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の“欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!

 タレントのryuchell(りゅうちぇる)さんが亡くなった。自死だった。その原因としてネットなどでの誹謗中傷が指摘されている。離婚、ジェンダーレス、育児などについて誹謗中傷されていたからだ。これまでの自分の意見を率直に語ってきたryuchellさん。しかし、この国は自分に率直な人々、そして生き方を“異物”として差別し排除しようとする。暗澹たる気分だ。

第659回(7/13〜7/18発売号より)
1位「滝沢秀明『ジャニーさん命日』にぶつけた仁義なき引き抜き」(「女性セブン」7月27日号)
2位「キャンドル氏vs鳥羽シェフだけじゃない『オレの妻に手を出しやがって…許さねぇ!!』(「週刊女性」8月1日号)
3位「不倫疑惑の上原多香子が再婚前に“助言”求めていた場所」(「週刊女性」8月1日号)
※「女性自身」は合併号休み

 厚顔無恥とは、こういうことを言うのだろう。「女性セブン」のジャニーズ事務所及び滝沢秀明関連記事のことだ。

 ジャニーズ事務所を去った滝沢秀明氏が新事務所「TOBE」を設立した。そこに同じくジャニーズを去った三宅健、平野紫耀、神宮寺勇太、IMPACTorsの面々の合流が発表され、大きな話題になっている。

 「セブン」でもこの話題を取り上げているのだが、その主な内容は滝沢氏の剛腕ぶりだ。たとえば、タレントだけでなくジャニーズに過去関係した何人もの優秀な人材を引き抜いていること、また既存のタレントを引き抜く手法は、これまでの芸能界にはない斬新なものだと紹介する。さらに滝沢氏と平野が合流を発表した日は“奇しくも”ジャニー喜多川氏の命日の2日前だったが、それは滝沢氏の「自分たちこそがジャニーイズムを引き継ぐ真のジャニーズという主張」だと解説するのだ。

 まあ、ここまではいい。しかし記事は、滝沢氏のジャニーズ事務所からの“離脱の理由”に言及していくのだが、これが唖然呆然なのだ。まず、滝沢氏の離脱に影響したのがジャニー喜多川氏の性加害問題だとして、こう記すのだ。

「降りかかる火の粉から逃げ出すように昨年9月に事務所側に辞意を申し出ると、滝沢さんは引き継ぎもしないまま姿を消してしまったのです」(芸能関係者のコメント)

 おいおい。ジャニー氏の性加害について問題に対処することも直視もせず、いち早く逃げたと滝沢氏を非難するトーン。さらに「セブン」は、こんなことまで言い始めた。

「ジャニー氏の性加害問題は日を追うごとに深刻さを増しているが、今後も滝沢と平野が言及する予定はないという。
『若い頃からジャニー氏の身近でJr.を指導してきた滝沢さんは、真相を知る立場にありますが、テレビ局や新聞社の取材要請はすべて断り、コメントしない方針を貫いています』(前出・別の芸能関係者)」

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