獄中のキャバクラ経営者が逮捕! 元極妻が考える、ムショでの犯罪は可能か?
今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。
アメリカの刑務所で殺人未遂事件
「アメリカの刑務所で殺人未遂だそうですが、日本では聞いたことないですよね」
編集者さんから聞かれました。「治療」と称して若い選手をレイプしてたアメリカ体操連盟のラリー・ナサール元医師の事件ですね。
元医師は、7月9日にフロリダの連邦刑務所で首や背中などを10回刺されたそうですが、なんと容体は安定してるとか。原因はムショ仲間との口論のようで、受刑者が刃物を持ってるところがアメリカのクオリティです。
元医師に対しては約160人が被害を告発して大炎上、禁錮175年の刑を受けてます。これもアメリカではありがちですよね。今59歳で、刑が確定したのは54歳の時ですが、そこからの175年ですよ。これもアメリカらしいですが、刑期の途中で獄死したら残りの刑期は消滅します。
日本のムショでは性犯罪者はイジメの対象ですが、暴行は陰湿ですね。キズやアザが残らないように寝てる時に顔に放尿するとか、ごはんに体液をかけるとか。
もちろん、懲役(受刑者)同士でどつくくらいなら日常的ですが、刑務官に「ムカついて」どつくこともあります。
歴史的といえる少年院での事件
7月5日には、新潟刑務所で刑務官にグーパンした懲役が書類送検されたことがニュースになってました。
報道によりますと、5月に新潟刑務所の工場で作業中だった受刑者が「刑務官の言動に立腹して」げんこつを一発かまして全治10日間のケガをさせてます。不良ならなんてことないレベルですが、相手は刑務官さんですからね。
ちなみにけっこう前ですが、歴史的といえるのは少年院の事件です。「説教ばかりで頭にきた」から、お箸を教官のアゴに突き刺した事件です。貫通して1カ月の大ケガだったそうですが、こういうのはなかなかないです。
逆にメイケイ(名古屋刑務所)のように刑務官が暴行することもありますから、刑務官へのボディカメラ着用のテスト導入を始めてるそうです。メイケイでは昨年、刑務官22人による受刑者3人への暴行が問題になって、このうち13人の刑務官が特別公務員暴行陵虐容疑などで書類送検されてます。このまま起訴されないかもですね。
ボディカメラは女子刑務所では前から導入してるところもあるそうで、賛否ありますが、カメラを増やせば「不適切」な行動も防げるので、私はアリだと思います。
服役中の逮捕で懲役刑の執行は停止に
服役中に別の事件を起こして、逮捕勾留されたらどうなるでしょうか。
一人で「受刑者」と「未決拘禁者」の立場になります。法律(「刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律」第109条)では、「未決の者としての地位を損なわない限度」で、「拘禁の期間を考慮して可能な範囲で」刑務作業などをさせるとしています。捜査を受けながらも刑務作業は続けて、刑期を「消化」していくということですね。
でも、これもちょっとどついたくらいならいいですが、大事件の場合は、懲役刑の執行が停止されて拘置所や留置場に移されて取り調べを受けることになります。
服役中にほかの事件でパクられる(逮捕される)のは、しょっちゅうではないですが、珍しくもないです。最近では、獄中(なか)から手紙でキャバクラ経営を指示した懲役がパクられて移送されてましたね。
未成年も働かせて、お金の管理もしてたそうです。そんな商才あるのに生かせないのはもったいないし、手紙や面会で指示を出してるのに刑務官は気づかないのか――とかいろんなことを考えてしまいました。