再掲[アンブレラマスターが回答]

日傘選び、「涼しさ」の度合いがすごいのはコレ! 小田急百貨店“アンブレラマスター”に聞いた注目ポイント

2023/07/11 13:45
サイゾーウーマン編集部(@cyzowoman

 7月に入り、早くも30度超えの真夏日が続いている。外出の際には、日焼け止めと同じく日傘も必須という人が多くなってきたが、ひとくちに「日傘」といっても、その効果は千差万別のようだ。熱をブロックする遮熱性や、光を遮断する遮光性など機能的な特徴があり、自身の目的に応じて選ぶこともできるという。

 そこで、日傘の目的別の選び方や遮熱性に優れた「涼しい」1本などを“傘のプロ”にインタビュー取材。昨年公開した記事をあらためて掲載する。

小田急百貨店新宿店3階にある、婦人服飾雑貨売り場の一角(C)サイゾーウーマン

 今回は、小田急百貨店新宿店の婦人服飾雑貨売り場で日傘の販売を行っている河地沙希さんに取材を敢行。「日本洋傘振興協議会」が認定する洋傘売り場のスペシャリスト「アンブレラ・マスター」の資格を持つ河地さんに、日傘の種類や機能、正しい使い方、ケア方法まで話を聞いた。日傘選びにぜひお役立ていただきたい。

雨でも使える「晴雨兼用傘」、セール価格で平均5,000~8,000円!

小田急百貨店新宿店では、さまざまな種類の日傘を販売中(C)サイゾーウーマン

――日傘は春から秋にかけてさす人が多い印象ですが、店頭に並び始めるのはいつからでしょうか?

河地さん(以下、河地) 4月くらいから新作が入荷し始め、6月に一気に展開が広がります。梅雨のシーズンでもあるので、雨傘と半々の割合で商品が並び、早い方はこの時期に買いに来られますが、一番売れるのは7月ですね。また、セール時期も売り上げが伸び、多いときは一日で300~400本近く売れたこともありました。


 セール期間はお買い得商品が多く揃いますので、普段あまり百貨店を利用しないという方の来店も増えます。20代から80代の方まで、本当に幅広いお客様がいらっしゃいますね。

――ではまず、日傘の種類について教えてください。

河地 晴雨兼用傘と日傘、いわゆる“純パラソル”があり、晴雨兼用傘は機能性が高く、撥水加工が施されていて、急な雨に降られた場合でもお使いいただけます。ただ、軽量設計なので骨が細く折れやすかったり、風に煽られるとひっくり返りやすいというデメリットも。

 純パラソルは、撥水性がないので、晴れた日にお使いいただくお品物になっています。一方で、水に濡れないことを前提に作られているため、風通しもよく、レースがふんだんに使われていたり、デザイン性が高いことも特徴。ドレッシーな雰囲気の日傘をお探しであれば、純パラソルがおすすめですね。

――価格帯に違いはありますか?


河地 晴雨兼用傘ですと、セール価格で平均5,000~8,000円と1万円を下回るお品物が多いですね。一方の純パラソルは、セール価格でも1万円以上という金額が目安です。生地に麻や綿、絹など天然素材を使用しており、ポリエステルがほとんど混ざっていない商品が多いため、晴雨兼用傘よりもお値段が上がっているのだと思います。

傘の種類 メリット デメリット 生地 セール価格
晴雨兼用傘 撥水性があり雨でも使用可 軽量設計のため、骨が細く風に煽られやすい ポリエステル 5,000~8,000円
純パラソル デザイン豊富で風通しがいい 撥水性なし 麻、綿、絹などの天然素材 1万円以上

 

日傘選びで注目すべき3つのポイント

――日傘を選ぶ際に注目すべきポイントはありますか?

河地 日傘には「遮光」「遮蔽(しゃへい)」「遮熱」の3つの効果があります。

 まず、遮光は“可視光線をカットする程度“を表し、“日よけ”になります。晴雨兼用傘に関しては、「1級遮光」とそうでないものの2種類に分かれ、1級遮光は、遮光率が99.99%あり、限りなく100%に近いんです。傘の内側が黒く塗りつぶされているようなイメージのお品物で、光を一切通さないため、木陰にいるような涼しさを感じられるようになっています。

 対して1級遮光でないお品物は、遮光率が99%以上と1級遮光に比べるとやや数字が落ちてしまうため、特に今年は暑い日が続いていますから、熱中症対策の面でも、1級遮光の傘のご使用をおすすめしています。

 次に、遮蔽は“UVカット率”を表し、“日焼け”対策をしたい方に注目いただきたい項目です。99%以上ある商品がほとんどで、遮光率同様に、商品タグにパーセンテージが記載されているので、チェックしてみてください。

 最後の遮熱は、遮光と似た意味合いで、“熱をカットする効果”の有無を表しており、現在は、東レから出ている「サマーシールド」と、帝人フロンティアとムーンバットが共同開発した「フワクール」というシリーズで「遮熱」をうたっています。1級遮光で遮蔽率も99%以上と高く、「サマーシールド」「フワクール」ともに特殊多層ラミネート構造のため、遮熱効果を発揮しているのが特徴です。

 これら3つの機能があることを頭に入れておくといいでしょう。 

遮光 可視光線をカットする程度のことで、日よけ効果がある
一級遮光 遮光率が99.99%で、光を一切通さず涼しい
一級遮光以外 遮光率が99%以上で、一級遮光よりも効果が劣る
遮蔽 UVカット率のことで、日焼け防止に。99%以上の商品がほとんど
遮熱

“熱をカットする効果”の有無を表す。
東レ「サマーシールド」、帝人フロンティア×ムーンバック「フワクール」が該当

 

東レ「サマーシールド」の日傘(C)サイゾーウーマン
帝人フロンティアとムーンバック共同開発の「フワクール」製品はこのタグが目印(C)サイゾーウーマン