サイゾーウーマンコラム仁科友里「女のための有名人深読み週報」東山紀之、コメントの危うさ コラム 仁科友里「女のための有名人深読み週報」 東山紀之、ジャニー氏性加害問題めぐる「後輩に待ってもらった」発言の危うさとは? 2023/05/25 21:00 仁科友里(ライター) コラム 私たちの心のどこかを刺激する有名人たちの発言――ライター・仁科友里がその“言葉”を深掘りします。 マッチ退所後、ジャニーズの長男坊になったヒガシ(写真:サイゾーウーマン) <今回の有名人> 「この件に関しましては、最年長である私が最初に口を開くべきだと思い、後輩には極力待ってもらいました」東山紀之 『サンデーLIVE!!』(5月21日、テレビ朝日系) ジャニーズ事務所創業者の故・ジャニー喜多川氏による少年への性加害問題を、「週刊文春」(文藝春秋)が詳細に報じたのは1999年のこと。かなり衝撃的な内容で、これが本当なら、ジャニー氏の信用は地に堕ちる。当然、ジャニー氏と事務所は文藝春秋を名誉棄損で訴えた。両社は裁判で争うことになり、東京高裁はジャニー氏による性加害を事実と認定。しかし、このニュースをテレビが扱うことはなかったと記憶している。 今年3月、イギリス公共放送(BBC)が、ジャニー氏の性加害問題を追及するドキュメント番組『Predator:The Secet Scandal of J-pop』を放送、また4月に元ジャニーズJr.でアーティストのカウアン・オカモト氏が日本外国特派員協会で記者会見を開き、性被害を告発したことで、SNSでも話題になり、日本の大手メディアも取り上げずにはいられなくなったようだ。 こうした状況を受け、ジャニーズ事務所も重い腰を上げた。現社長の藤島ジュリー景子氏は5月14日、「知らなかったでは決して済まされない話だと思っておりますが、知りませんでした」などとコメントする謝罪動画を公開。社長として、精一杯譲歩して、被害者に寄り添ったつもりかもしれないが、上述した通り、自分の会社が「文春」と裁判をしていたわけだから、ちょっとこの言い訳は苦しいのではないだろうか。 ジャニーズ事務所のタレントといえば、報道の分野にも多数携わっている。嵐・櫻井翔は『news zero』(日本テレビ系)の月曜キャスターとして出演しているが、同15日放送の同番組では、メインキャスターの有働由美子が「この件(ジャニー氏の性加害問題)については、番組で話し合って私が話します」と番組の判断であることを示した後に、席を外した。櫻井が何も語らなかったことに対して、SNSでは「キャスターなのにダンマリ」といった批判的な意見も見受けられた。 一方、ジャニーズ事務所の“長男坊”東山紀之は5月21日、メインキャスターを務める『サンデーLIVE!!』(テレビ朝日系)でこの問題に触れ、「この件に関しましては、最年長である私が最初に口を開くべきだと思い、後輩には極力待ってもらいました」とコメント。櫻井が黙っていたのは、この問題から逃げたのではなく、先輩から頼まれたからなのだとホッとした人もいたことだろう。 次のページ 東山紀之は、報道番組のプロデューサーより力を持っているのか? 12次のページ 関連記事 近藤真彦、「泣いちゃいました」というジャニー社長への追悼コメントに見る「怖いオトコ」の顔太田光代の「もう別れたいんですよ」発言が“偽らざる本音”と思えた理由ベッキーはいつ許されるのか? 過去の不倫イジリに笑顔で応じる彼女に思うことコロチキ・ナダルは、“時代”に守られている――先輩への失礼な発言が笑いになるワケ藤本美貴、人気の「ミキティ人生相談」のハズレ回――“働く一般女性”に対する想像力の欠如