紀子さま、眞子さんと佳子さまの結婚めぐり「子育てが間違っていた」と叩かれてしまうワケ
現代社会において、「悪い結果が出ると、すべてが間違っている」というマイナスの「信念バイアス」に晒されがちな立場に置かれているのは、女性皇族ではないだろうか。
最近では、週刊誌による紀子さまバッシングをよく目にする。ニュースサイト「デイリー新潮」は「佳子さまに“同居拒否”を決意させた、紀子さまの“ひと言” 佳子さまのお相手について『出雲大社を上回る家でないと』」という記事を配信している(4月16日)。
同記事によると、高円宮家の次女・典子さんは出雲大社の禰宜(当時)・千家国麿さんと結婚したが、秋篠宮家は筆頭宮家であることから、紀子さまは佳子さまの結婚相手に、それ以上の相手をお考えで、旧宮家の男系男子に興味を持っているとのこと。
紀子さまが人柄よりも家柄を重んじるブランド主義かのようなネガティブな印象を受ける記事ではあるものの、仮に紀子さまがこれらの記事のような発言を本当になさったとしても、それはおかしいことではないと私は思う。女性皇族と一般人では、価値観や風習が相いれないことも多々あるだろう。その点、皇籍離脱した旧宮家の男性は、大きくいえば“親戚”なわけだから、そのあたりのカルチャーギャップが埋めやすいのではないか。
それでは、なぜ紀子さまが口うるさい母親かのように書かれてしまうかというと、子育てにおいて、「悪い結果」が出たと、世間に見られているからだと思う。
秋篠宮家の長女・眞子さんは、大学時代の同級生・小室圭さんと21年10月に結婚し、ニューヨークに移住した。小室さんは、3度目の挑戦でニューヨーク州の司法試験に合格。おそらく現在は、2人で自由な新婚生活を満喫しているだろうが、ここに至るまでの道のりは決して平たんではなかった。
小室さんの母上の金銭トラブルの発覚や、法学部出身でない小室さんが、米フォーダム大のロースクールにすんなり留学したことで、「内親王の婚約者という立場を利用したのではないか」と疑う声が上がったりなど、国民が諸手を挙げての祝賀ムードとは言い難い状態だった。秋篠宮さまは「皇室としては類例をみない結婚」とコメントを発表されたが、結婚一時金を辞退したり、朝見の儀などの儀式を行わない内親王の結婚は、確かに前代未聞なのではないだろうか。
このような状況が、国民に「悪い結果」と捉えられると、そのすべてのプロセス――つまりこれまでの子育てが間違っていたというバイアスが働き、特に母親である紀子さまが「しっかりしていないから」という理由でバッシングされやすくなるのだ。