妻夫木聡『Get Ready!』を抑えた1位は? 『スタンドUPスタート』は歴代最低【冬ドラマ視聴率ランキング】
2023年1月期の連続ドラマ(民放4局、午後8~10時台)が続々と最終回を迎えた。全話平均視聴率ランキングでトップになったのは、世帯平均9.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)を記録した西島秀俊主演の刑事ドラマ『警視庁アウトサイダー』(テレビ朝日系)だった。
加藤実秋氏の同名小説(KADOKAWA)を原作に、西島が“血”を見ると白目を剥いて倒れてしまう元マル暴(警視庁組織犯罪対策部)の刑事・架川英児を演じる同作。単話平均10%台を記録したのは初回と最終回、それ以外の回も、ほぼ9%台で推移しており、安定感は抜群だった。
※以下、ドラマのネタバレを含みます。
最終回では、主軸として描かれた10年前の「ホステス殺人事件」の意外な犯人が判明したほか、秘密を抱えるエース刑事役の濱田岳が涙を流すシーンが話題に。ネット上では「犯人が予想と違ってて驚いた」「濱田岳の熱演に圧倒されて、泣いた」と好意的な感想が多数見られる。
一方で、同作に頻発する“オヤジギャグ”や“小ネタ”は、放送のたびに「面白くて笑っちゃう」「話は面白いのに、ギャグ要素が邪魔」と賛否を呼ぶことに。
なお、最終回では、石田ひかり演じる新人刑事・水木直央(上白石萌歌)の母が、石田が30年前に西島と共演した“月9”ドラマ『あすなろ白書』(フジテレビ系)をもじった『明日ならハクション』というタイトルのエッセイを発売するという小ネタが盛り込まれ、一定の年齢以上の視聴者をクスッとさせたようだ。
日曜劇場『Get Ready!』、最終回で『WBC』と裏被りの不運
2位は、妻夫木聡主演の日曜劇場『Get Ready!』(TBS系)で、全話平均は9.4%。第2話で10.9%を叩き出すなど、単話平均は概ね9~10%台と好調だったが、最終回では、不運にも『WBC』の「日本対オーストラリア」戦と“裏被り”し、6.4%の自己最低を記録。この影響がなければ、全話平均で『警視庁アウトサイダー』を上回っていただけに、“実質トップ”ともいえる。
同作は法外な治療費と引き換えに患者の命を救う闇医者チーム「仮面ドクターズ」のメンバーであるエース(妻夫木)、ジョーカー(藤原竜也)、クイーン(松下奈緒)の活躍を描く1話完結の医療ドラマ。
長らく主人公・エースの背景が描かれず、視聴者からは「ミステリアスすぎて感情移入できない」と不満の声も上がっていたが、第8話でようやくエースの悲しい過去が描かれ、それまでチョイ役と思われていた医学会の有力者・剣持理三(鹿賀丈史)に恨みを抱えていることが判明。すると、視聴者の間では「これが初回だったら、もっと登場人物に興味を持てたのに……」「序盤でこれが描かれていれば、ドラマの評価はもっと高かったはず」と疑問の声が相次いでしまった。
草なぎ剛『罠の戦争』、長澤まさみ『エルピス』の視聴率上回り健闘
3位は、全話平均8.4%を記録した『罠の戦争』(フジテレビ系)。主演の草なぎ剛にとって、ジャニーズ事務所退所後初の民放連ドラ主演作であるため、一部ネットユーザーからは「ジャニーズ事務所の横槍が心配」「プロモーションは十分にできるのか?」と心配する声も見られたが、同枠前クールの長澤まさみ主演『エルピス-希望、あるいは災い-』の全話平均6.3%を2.1ポイントも上回る健闘ぶりを見せた。
息子を瀕死の重体に追いやった事件の犯人と、それを隠蔽しようとする国会議員への復讐に燃える議員秘書・鷲津亨(草なぎ)の奮闘を描いた同作。
最終回では、権力に囚われていく亨と妻・可南子(井川遥)が離婚する……という不穏な状況になるも、ラストには衆議院議員となった可南子を、亨が政策秘書として支えるという驚きの展開が待っており、ネット上では「夫婦の形にとらわれない2人が、今っぽくていいね」「離婚しちゃったけど、こんな両親を持った息子は幸せだろうな」と好意的な声が相次いだ。