仁科友里「女のための有名人深読み週報」

竹内由恵アナ、三浦瑠璃氏に通ずる視聴者を“イライラさせる”という才能

2023/03/30 21:00
サイゾーウーマン編集部(@cyzowoman

私たちの心のどこかを刺激する有名人たちの発言――ライター・仁科友里がその“言葉”を深掘りします。

竹内由恵アナ、三浦瑠璃氏に通ずる視聴者を“イライラさせる”という才能
写真ACより

<今回の有名人>
「天然で」竹内由恵アナ
『あちこちオードリー』(3月22日、テレビ東京系)

 20代の頃は局アナとして名前を売って人気を獲得し、やがて寿退社。 その後はフリーに転身して、家庭とのバランスを取りながら仕事を行う。女子アナがそんな生き方をしている時代があった。

 結婚すれば、夫の稼ぎもあるため、毎日テレビに出るようなあくせくした働き方をする必要はなくなり、ある程度自由に仕事ができるようになる。 高い知名度ゆえに講演会を頼まれたり、女性誌から連載を依頼され、夫婦関係や子育てについて書くなど、これまでとは違った仕事も増えるだろう。特に後者は、新たなファン層を獲得することにもつながり、仕事の幅を広げるチャンスになる。

 しかし、もはや、この“売り方”は現在、ほとんど実行不可能といえるだろう。まず、テレビを見る人が少なくなっているので、誰もが知っている“人気女子アナ”が育ちにくい。そうなると、マスコミも彼女たちを扱わなくなり、世間の女子アナへの注目度自体が低くなってしまう。女性誌も休刊が相次いでいるため、テレビから女性誌へという“異動”も難しくなっている。そんな女子アナ受難の時代にフリーになると、どうしても苦労ばかりが予想されるものだ。


 3月22日放送の『あちこちオードリー』(テレビ東京系)に出演した元テレビ朝日のエースアナ・竹内由恵。医師と結婚しテレ朝を退社。夫の勤務地・静岡に移住した竹内アナは、フリーとなり、肩書をアナウンサーからタレントへと改めたそうだ。

 「できるだけバラエティ番組に呼んでいただきたい」という竹内アナは、同番組のアンケートを3回書き直し、マネジャー陣と1時間くらい打ち合わせをしたという。加えて共演者のラジオ、YouTubeチャンネル、有料配信サイトもチェックするなど、“勉強”を怠らない。

 竹内アナいわく「テレビはできる人、面白い人、頑張る人でできている」とのことで、「自分は(できる人、面白い人の)どっちでもないな」と思ったため、「頑張る人って枠もあると思う」という結論に至ったそうだ。体を張るロケも辞さないといい、ローションまみれになる仕事もOKと話していた。

 芸能界で生き残りたいという意気込みをひしひしと感じたが、肩書はアナウンサーのままでいったほうがいいのではないだろうか。なぜなら、超狭き門であるキー局アナウンサー出身者はごく少数である一方、タレントは無数にいる。自分の肩書をタレントにすると、その分、ライバルも一気に増えてしまうからだ。「元局アナの中で一番できる人、 面白い人」を目指すほうが、トップを獲りやすいのではないか。

 それに、竹内アナや周りの人は、彼女の大いなる才能に気づいていないように思う。