サイゾーウーマンコラム“中学受験”に見る親と子の姿裕福ではない家の中学受験 コラム “中学受験”に見る親と子の姿 中学受験塾に通うお金がない! それでも第一志望に合格した子が小4からやっていたこととは? 2023/03/26 16:00 鳥居りんこ(受験カウンセラー、教育・子育てアドバイザー) コラム 公立中高一貫校に合格した子の母が購入した「ホワイトボード」の使い方 春香さんが小5になった頃、ある日、真理さんはホワイトボードを買ってきて、キッチン脇に据えたそうだ。 「何を書いてもいいボードなので、お絵描きしたり、ほかにも、買って来てほしいものを書いておくとか、伝言板のような役割も果たしていました。そこに、ある時、私が何気なく“疑問”を書いたのが、私の中学受験の始まりでした」 春香さんは「なぜ、空は青いのか?」と書いたのだそうだ。 「今ではスマホで検索すれば一発 解決でしょうが、当時、我が家にはなかったので(笑)、3日後くらいですかね。母が『ママはこう思うんだけど、合ってるかしら?』と言ってきたんです。それで、私も一緒に調べて、いろいろな説を考えたんですが、正解かどうかがわからなかったので、学校の担任の先生に聞きに行きました」 当時の担任は、春香さんいわく「とてもいい先生」で、 懇切丁寧に「空が青い理由」を教えてくれたそう。その時、春香さんは「勉強って楽しい!」と実感したそうだ。 「昨日まで疑問でしかなかったことが解るって、すごく面白いと思いました。それで、次々と思いつく疑問を自分なりに調べて、先生に正解かを聞きに行ったんです」 そんな中、先生が「春香は公立中高一貫校に入りなさい」と背中を押してくれるようになったという。 「先生は、面談の時も母に熱心に中学受験を勧めてくれました。でも、なんたって我が家にはお金がないですから(笑)、みんなが通うような有名な中学受験塾 には行けないんです。そしたら、母がどっかから、格安で勉強をみてくれる塾を見つけてきて、そこに通うようになりました」 そこは、おじいさん先生が1人で生徒たちを見ている“寺小屋”のような雰囲気だったそうだが、毎年、公立中高一貫校に合格者を出しているという実績を持つ塾。春香さんは水を得た魚のように中学受験の勉強に身を入れ出した。 「多分、中学受験をする友達が羨ましかったんだと思います。心のどこかで『みんな、いいなぁ、塾に行けて楽しそう』って思っていましたから。『自分も塾ってところに行けて、受験ってものができるんだ!ってすごくうれしかったのを覚えています」 次のページ 塾ナシ予備校ナシで国立大学に合格した子が語る「母の口癖」 前のページ123次のページ 関連記事 中学受験組のストレスが招く「学級崩壊」の実態――小6母が明かす、いじめと担任の休職中学受験、娘の不合格は「何もかも親のせい」――母が懺悔する“本命校前夜”の出来事とは?中学受験全落ちで公立に進学、難関大合格後も続く“悪夢”――彼が選んだ就職先とは?中学受験「第1志望校の不合格」を我が子にどう伝えるか? 合否発表でパニックになった母は、塾に電話を……中学受験、憧れの第1志望に連続不合格――「入試の日に初めて行った」1月校に入学した親子の話