『WBC』に振り回された冬ドラマ――『忍者に結婚は難しい』『Get Ready!』に打撃
フジテレビ系「木曜劇場」枠の連続ドラマ『忍者に結婚は難しい』が3月16日、最終回を迎えた。初回から“1ケタ視聴率”を連発していた同ドラマだが、最後は世帯平均視聴率2.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)で自己ワーストを更新。業界関係者は「この日、同時間帯にテレビ朝日系で『2023ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)』の日本vsイタリア戦を生中継していたため、その影響をモロに受けてしまったことが“大爆死”の原因」(スポーツ紙記者)と指摘する。
『忍者に結婚は難しい』は作家・横関大氏の同題小説(講談社)を実写化したもので、主人公は甲賀忍者の末裔・草刈蛍(菜々緒)。夫で伊賀忍者の末裔・悟郎(劇団EXILE・鈴木伸之)と、お互いの正体を隠して結婚生活を送りつつ、それぞれの特殊任務遂行に奮闘する姿がコミカルに描かれた。
「もともと『木曜劇場』自体が“低視聴率枠”ということもあって、初回7.0%で発進した同ドラマ。結果的にはこの数字が自己ベストとなり、以降は第8話まで5~6%台を推移し、第9話で4.8%、第10話で3.5%まで転落。なお、第10話が放送された3月9日は“侍ジャパン”こと日本代表のWBC初戦、中国との試合がTBS系で生中継されていました」(芸能ライター)
そして同16日、『忍者に結婚は難しい』最終回は、侍ジャパンの準決勝進出をかけたイタリア戦の生中継とも“裏かぶり”し、再び視聴者を奪われたわけだ。
「菜々緒と鈴木といえば、EXILE AKIRA主演の『HEAT』(フジテレビ系、2015年)でも共演していますが、こちらも単話視聴率で2.8%を記録するなど、大爆死。『忍者に結婚は難しい』は7年ぶりの共演作だったものの、またしても残念な結果となってしまいました」(同)
一方、今期の連ドラは軒並み視聴率で苦戦を強いられているが、『忍者に結婚は難しい』と同じように『WBC』の影響を受け、通常なら上がるはずの最終回で数字を大幅に下げてしまったドラマがある。
「TBS系『日曜劇場』で妻夫木聡が主演したドラマ『Get Ready!』です。12日に放送された最終回は、日本vsオーストラリア戦の生中継の裏かぶりにより、“大打撃”を受けました。『Get Ready!』は第1~3話まで10%台をキープしていたものの、第4~8話は9%台、第9話は8%台と徐々に落ち込み、最終回は6.4%までダウン。『WBC』と重ならなければ、そこまで下落しなかった可能性が高いでしょう。ただ、逆に『WBC』の“恩恵”に預かった作品も。TBS系『金曜ドラマ』の『100万回 言えばよかった』(井上真央主演)です」(前出・記者)
同ドラマは初回から7%台を推移し、3日オンエアの第8話は6.2%に減退していたが、同10日の第9話でいきなり12.4%まで上昇。この放送直前まで、TBSは『WBC』の日本vs韓国戦を生中継しており、『100万回 言えばよかった』は通常より1時間20分繰り下げられたものの、『WBC』の視聴者を運よく引き込むことができた。
「オリンピックやFIFAワールドカップの開催期間は、各局ドラマの話数を調整したり、放送休止を挟んだりするものです。『WBC』でも同様の措置を行っていれば、『忍者に結婚は難しい』や『Get Ready!』があそこまで数字を下げることはなかったかもしれません」(同)
日本中が『WBC』に熱狂する中、ドラマ関係者は別の意味でドキドキしていたのかもしれない。