『THE FIRST SLAM DUNK』が1位返り咲き! 生田斗真『湯道』はまずまず?――映画館動員ランク
井上雄彦氏の大人気コミック『SLAM DUNK』(集英社)を、新たな視点で描く新作劇場アニメーション『THE FIRST SLAM DUNK』が、全国の映画館動員ランキング(興行通信社調べ、2月24日~3月2日)で1位に返り咲いた。公開からすでに13週が過ぎているが、まだまだ勢いは衰えず、興収も116億円を突破し、「第46回 日本アカデミー賞」でも最優秀アニメーション作品賞を受賞した。
2位には『ワールドツアー上映「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へ』が入った。同作は社会現象を巻き起こした吾峠呼世晴氏原作の人気テレビアニメシリーズの新作『鬼滅の刃 刀鍛冶の里編』(フジテレビ系)の放送開始に先駆けて、その第1話を世界初公開。また、「遊郭編」のクライマックスとなる第10話、第11話を劇場上映するというもの。公開4週目でも上位をキープし続けており、『THE FIRST SLAM DUNK』とともにアニメ強しの日本の市場を象徴する人気となっている。公開31日間で247万8900人を動員、興収も35億円に到達。まだまだ人気は続きそうだ。
生田斗真主演の『湯道』は3位にランクイン。濱田岳、橋本環奈が共演する“お風呂エンタテインメント”の同作は、亡き父から町の古い銭湯を継いだ兄弟の確執や、彼らと常連客が織りなす人情模様をユーモラスに描く。公開から11日間で動員27万9824人、興収3億6439万円を突破するなどまずまずの出だしで、ネット上では、銭湯という味のある題材が好感を持たれているようだ。
4位は『シャイロックの子供たち』。同作は池井戸潤氏の同名ベストセラーを阿部サダヲ主演で映画化したミステリー。メガバンクの小さな支店で起きた現金紛失事件をきっかけに、銀行内部の闇が次々とあぶり出されてるさまを描く。アニメや漫画原作の作品が強い日本の映画市場だが、3位の『湯道』同様、本作も公開から17日間で動員53万6000人、興収6億9329万円のヒットとなっている。
5位にはディズニー映画の『アントマン&ワスプ:クアントマニア』が入った。同作はポール・ラッドがマーベル史上“最小”のヒーロー、アントマンを演じるアクション・アドベンチャー第3弾。毎回賛否の分かれるマーベル作品だが、ネットでの評判も上々で、「今のところ今年一番面白かった」「アントマン、良い作品だった!」などの声が目立つ。
韓国のボーイズグループBTSが昨年10月に釜山で行ったコンサートを収録した『BTS:Yet To Come in Cinemas』は6位にランクイン。シネマティック専用カメラで撮影されたコンサート映像とライブ配信時の未収録映像が見どころとなる同作だが、公開33日間で興収19億円を突破するなど、ほかのアーティストのライブ映画では考えられないような興行収入を叩き出している。
7位は石塚真一氏の大ヒット・コミックスをアニメ化した『BLUE GIANT』。世界一のジャズプレーヤーを目指す主人公が、音楽への情熱を力に、仲間と駆け抜けた日々を描いた同作。演奏シーンには上原ひろみ氏はじめ、世界的プレイヤーが参加している点も話題になっており、声の出演も山田裕貴、間宮祥太朗、岡山天音と豪華だ。
木村拓哉が織田信長を演じる時代劇エンタテインメント大作『レジェンド&バタフライ』は8位だった。時代劇がウケない昨今だが、公開から38日間で動員177万人、興収23億円を突破。興収目標として掲げる50億円の大台は難しいかもしれないが、まずまずの数字は残している。
9位は公開16週目の『すずめの戸締まり』、10位はS・S・ラージャマウリ監督がインド映画史上最高の製作費を投じて撮り上げたアクション・アドベンチャー超大作『RRR』。上映時間約3時間の同作だが、ロングランを続けている。「RRRめっちゃ面白い」「非常に濃密な3時間」「ツッコミどころばかりで楽しかった」など、ネット上での評価も相変わらず上々だ。
【全国映画動員ランキングトップ10(2月24日~3月2日 、興行通信社調べ)】
1位 THE FIRST SLAM DUNK
2位 ワールドツアー上映「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へ
3位 湯道
4位 シャイロックの子供たち
5位 アントマン&ワスプ:クアントマニア
6位 BTS:Yet To Come in Cinemas
7位 BLUE GIANT
8位 レジェンド&バタフライ
9位 すずめの戸締まり
10位 RRR