「火炎放射器」で刑務官殺害を計画――元女囚が語る元受刑者の復讐心
覚醒剤の使用や密売などで逮捕起訴され、通算12年を塀の中で過ごした後、その経験を基にさまざまな活動を続ける瑠壬(るみ)さんが、女子刑務所の実態を語る「知られざる女子刑務所ライフ」シリーズ。
田中聖の懲役はトータルで2年くらい
瑠壬です。
元KAT-TUNの田中聖さんの「千葉地裁松戸支部のほう」の判決(覚醒剤の所持と使用)が2月27日に出ましたね。
ソッコー控訴して保証金300万円で保釈されたようですが、もう一つの「名古屋高裁のほう」が3月14日に判決ですから、すぐですね。こっちは執行猶予取り消しの可能性もありますが、上告するんでしょうか?
どっちも長い刑にはならへんから、「1日でも長くシャバにいてたほうがラク」ちゅう判断かもですが、スパっと一審で赤落ちしたほうがええ気もします。ちなみに「赤落ち」とは、刑が確定してムショに行くことです。昔は囚人服が赤色やったから──らしいです。
今回は懲役1年4カ月の実刑で、まあ想定内ですね。昨年の6月に自宅近くで職質された時に覚醒剤を持っててパクられた(逮捕された)件です。その9日前に、別件の覚醒剤所持で名古屋地裁で懲役1年8カ月・執行猶予3年の判決を受けて控訴し、保釈中でした。
松戸支部の裁判長は、「執行猶予期間中にかかわらず、10日足らずで、薬物への親和的動機から犯行に及んでいる。言い分があるとしても、相応の責任があり、非難に値する」としていました。
まあ言われてもしょうがない面はありますね。確定してないから「初犯」か「再犯」かわからへん、と弁護団は主張したそうです。再犯のほうが罪が重くなるからですが、ぶっちゃけ苦しい主張の気もします。
名古屋高裁で執行猶予が取り消されると、トータルで2年くらいの懲役でしょうか。カリシャク(仮釈放)たくさんもらえるといいですね。
刑務所の事務官が面識ない女性をレイプ
前回、刑務所の怖い話を書きましたが、まだありました。
面識ない女性をレイプしたダイケイ(大阪刑務所)の事務官逮捕の事件はちょっとびっくりしました。面識あってもアカンけど、こうゆう事件は、ほんまは昔からあったと思いますよ。最近は隠さないだけかなと。
あと、刑務官やなくて事務官の事件も珍しいです。警棒ひとつで懲役(受刑者)の世話をする刑務官と違うて、あんまり事務官は屈強なイメージないです。余罪はあるんでしょうか?
ええことではないですが、懲役を管理してると「懲役を支配してる気」になっちゃうのはわかりますし、そこから「誰でも支配できる」と思ったのかもしれません。
最近目立つ「刑務官によるイジメ」も、多分そんなところからですよ。
刑務官を殺す目的で火炎放射器を用意した元懲役
ちなみにムショでいじめられて、「出所したら絶対復讐する!」と思わない懲役はいてないでしょうが、ほんまに復讐するのはそんなに多くないです。やっぱりシャバに出てきたら、生活に追われるからです。
せやから、前に務めてたムショの刑務官の家に放火して殺す目的で、火炎放射器を用意してた元懲役と、それを獄中から指示した懲役(当時)がパクられたのは、いろいろすごいと思います。
まず「道具」が火炎放射器。普通その発想はないです。しかも今どきは個人情報の管理が厳しくて、自宅を見つけるのは大変です。あと襲撃を指示した人は、逮捕時はシャバでしたが、昨年の秋まで別のムショに入ってたとか。ムショから指示してたようです。
そして、パクられた3人は、鍵の製造販売業者……。鍵は悪用しようと思えばいくらでも悪用できますからね。これが一番怖かったです。
獄中からどうやって指示を出したのかを含めて裁判でわかるのでしょうが、いろんな事件があるものです。