サイゾーウーマンコラム知られざる女子刑務所ライフ元女囚が振り返る2022年刑務所の大事件 コラム 知られざる女子刑務所ライフ159 元女囚が振り返る「2022年刑務所の大事件」! 留置場でも全裸死、後頭部は和式トイレの便器に……ムショは安住の地じゃない 2022/12/25 16:00 中野瑠美改め瑠壬(作家) コラム 写真ACより 覚醒剤の使用や密売などで逮捕起訴され、通算12年を塀の中で過ごした後、その経験を基にさまざまな活動を続ける中野瑠美さんが、女子刑務所の実態を語る「知られざる女子刑務所ライフ」シリーズ。 岡崎警察署の留置場で、男性が全裸で死亡 皆さんもお忙しいと思いますが、ありがたいことに、瑠美のお店もクリスマスの時期は大忙しです。ところで、12月に入って、またまた事件がありましたね。 12月4日に愛知県・岡崎警察署の留置場で勾留されていた男性が亡くなりましたが、この寒いのに発見時は全裸、後頭部は和式トイレの便器に突っ込まれていたそうです。監視カメラには、男性を足で蹴って移動させてるところも映ってるらしいですよ。 怖すぎなんですが、何があったんですかね。男性はコウボウ(公務執行妨害)でパクられた(逮捕された)そうですから、お巡りさんに言い返して、「生意気な……」とかなったんかなと。 ベルト型手錠や縄で連続して100時間以上拘束したそうです。全裸で……。しかも糖尿病の持病があったのに、投薬もなかったとか。 もともと留置場はトラブルが多いんですが、ここまでではないですよ。昭和ならあったかもしれませんが、令和も5年目になろうとしてるのに。 こんな事件でも、警察の幹部の人がハゲ頭をさらして謝って、裁判では起訴状を全部認めて執行猶予にして、重要な情報は出さないかなとも思いますが、ご遺族が納得できる対応をしてほしいですね。 池袋暴走事故、「誰も同情していない」受刑者の今 もう一つ拘置所の話題。池袋で自動車を100キロのスピードで運転して母子を死なせた「例の90歳のおじいさん」が、拘置所で介助もなく顔から転んだりしてるそうですね。 ぶっちゃけ瑠美も、おじいさんがコケて血だらけになってるのを見たら心が動くかもしれませんが、まずは「そんなヨボヨボで、なんで運転?」ですよね。「私はか弱い気の毒な年寄り」アピールするなら、タクシーに乗ればええだけのことです。亡くなったお母さんとお嬢さん、取り残されたお父さんのほうがかわいそうです。 すごいのはネットの反応で、誰もおじいさんに同情してないです。ご家族くらいですかね、かばってるのは。まあ、しょうがないですかね。 ちなみにどこの刑務所に入ったのかは、本人から「〇〇ムショなうです」とか手紙かハガキが来ない限り、わかりません。施設側から教えてくれることはないのです。編集者さんに言うたらビックリされました。まあ、そんなシチュエーションなかなかないですよね。 11月には、97歳(!)のおじいさんがアクセルとブレーキを踏み間違えて女性を死なせてましたし、これからはこういった高齢者の事件はもっと増えるでしょう。 若い人でもやり損なうことはあるので、もっと試験のやり方を考えてほしいです。ちゅうか、97歳まで長生きしてるのもすごいですが、身柄が勾留されてたのはもっとすごいですよね。 12月9日に起訴されて、もう保釈されたそうですが、留置場もお世話は困ったと思いますよ。刑務所や拘置所は懲役(受刑者)が刑務作業としてお年寄りの世話をしますが、留置場の担当は警察官ですよね。ちゅうか100歳近いおじいさんの世話とか想定外すぎますからね。 やっぱり塀の中は、安住の地にはなりまへん。ちゅうか社会全体がお年寄りに冷たくなっていくんでしょうか。瑠美のいた施設は、みんなお年寄りにやさしかったんですけどねえ。 次のページ ムショの隠蔽体質も進む? 12次のページ 楽天 Yahoo セブンネット 女子刑務所ライフ! 関連記事 「笑顔」の清原和博と「6回目逮捕」の田中聖――元女囚が考える“更生と家族”「トー横のハウル」の死因は? 獄死が公表されない「闇」を元女囚が語る廃院になった精神病院の闇――元患者が明かす「廊下でレイプ」「差し入れ着服」恐ろしい実態NHKドラマ『一橋桐子の犯罪日記』はファンタジー! 「トー横はなくならない」と元女囚が断言するワケ後藤祐樹『アウトローの哲学』から読む、刑務所でのイジメと読書の大事さ! 元女囚がウルッときたポイントは?