PTA活動を欠席しまくるワーママと、負担大の専業主婦――仲良しのママ友関係に亀裂が入ったワケ
PTA活動は具体的に月何回という決まりがないため、実際に活動を始めたら「思っていたよりも大変」と感じる人は大勢いるのではないだろうか。そんな中、稼働量の格差、不公平さをめぐって、PTA委員や役員から不満が出るケースは珍しくない。
今回のように、ワーママより専業主婦のほうに負担がいきがちという話以外にも、例えば、「子どもが中学受験をする予定で、今後地域との関わりがなくなるから」という理由で、ほかの保護者の目も気にせず、PTA活動を途中でフェードアウトするママが現れた……という話を聞いたことがある。このようにPTA活動では、さまざまなケースの“不公平な出来事”が起こるものだ。
その是正のために、委員活動にあまり参加していなかったワーママが、代わりに動いていた専業主婦のママから、一気に作業を振られるのもよくある話で、そうなると今度はワーママ側から不満が出てきてしまう。PTA活動業務で生じる格差は、なかなかに根深い問題といえるだろう。
今回、美沙子さんは、「PTAは時間のある専業主婦が主となって活動する」を暗黙のルールと考えており、実際にそれが常態化しているPTAは少なくないように思う。しかし、有希奈さんら専業主婦の不満は当然だろう。加えて、美沙子さんは、親しいママが委員長だったため、参加しなくても許されると思い込んでいた節がある。その点も有希奈さんは納得できなかったのではないか。
では、こういった不公平を解消するにはどうすればいいのだろう。ワーママが増えた今の時代、仕事を調整できるように、できるだけ事前に活動日を設定したり、専業主婦ばかりに作業を偏らせないため、シートで作業分担するなど、誰もが効率良く活動できる仕組みづくりが必要だと思う。それこそが委員長のやるべき仕事なのかもしれない。一方、任期は1年だけだからと割り切り、たとえ不満を覚えてもやりすごす――これも一つの手なのかもしれない。
PTAが誕生した昭和の時代とは違い、今は共働き家庭が増えた。一方、少子化で1人の子どもにかける教育費が増え、複数の塾や習い事に通う子も多い分、防犯面でのリスクが高まっている今、「その付き添いで平日は忙しい」という専業主婦も少なくない。誰しも余裕がないことを前提に、PTA活動の体制を整える――それが暗黙のルールになってほしいと感じた。