コラム
暗黙のママ友ルールウォッチング

PTA活動を欠席しまくるワーママと、負担大の専業主婦――仲良しのママ友関係に亀裂が入ったワケ

2023/02/26 16:00
池守りぜね(ライター)

「子ども同士の付き合い」が前提のママ友という関係には、さまざまな暗黙のルールがあるらしい――。ママたちの実体験を元に、ママ友ウォッチャーのライター・池守りぜねが、暗黙ルールを考察する。

写真ACより

 共働き夫婦が一般的となり、平日の日中を忙しく過ごす母親が増えた令和の時代。それでも、PTA活動はなくなることがないようだ。コロナ禍になり、これまで対面で行っていた会議がオンラインになるなど、徐々に保護者が活動しやすい仕組みができ上がりつつあるが、学校行事にボランティアスタッフとして駆り出される機会はいまだ多く、PTA活動を面倒だと感じる人は少なからずいるだろう。

 今回は、共働きで自分の時間がないというあるお母さんの「PTA活動をめぐる苦悩」を取り上げる。

夫が単身赴任、娘が中学受験――自分の時間がないワーママのPTA事情

 首都圏で訪問介護の仕事をしている介護士の美沙子さん(仮名・39歳)は、この春、小学6年生になる女児のママ。夫が単身赴任をしているため、平日はほぼワンオペで家事や娘の世話をしているという。

「建築業者の夫は、地方で単身赴任をしています。今の事業が終わるのが来年なので、それまでは戻ってこない予定です。一方、娘は今、中学受験に向けて勉強に励んでいる身。うちの地域は、都内ほどではないものの中学受験が盛んで、娘も周りの友達が塾通いをしているのを見て行きたがるようになり、小5に上がるタイミングで入塾しました」

 美沙子さんは、娘の週4回の塾通いに付き添うため、時短勤務をしているが、会社からは「もっと勤務時間を増やしてほしい」と言われているそうだ。

「うちは10人くらいの小規模事業所なので、1人休むだけでも仕事が回らなくなるんです。今は、結婚していないスタッフが遅い時間帯を担当し、長時間労働をしてくれているのですが、子どもがもう高学年なので、上司から『もっと働いてほしい』と言われています」

 そんな中、美沙子さんは今年度、PTAの文化委員を担当したという。

「実は私はこれまでPTAの役員も委員も経験がなかったんです。積極的にPTA活動をしているママがいたので、今回も逃げ切れるかなと思ったら、なんと在学中に一度も委員や役員をしていない人から選ぶことに。娘は中学受験をするつもりなので、保護者の負担が大きいと聞く学級委員は絶対に避けようと思い、人数が多い文化委員を希望しました」

 学校によって名称は違うが、文化委員は、主に学内で配られる広報誌を作ったり、ベルマークの集計を行ったりする。ママたちの間では「地味だけど大変」と言われている委員だ。

「確かに、『大変』という話は小耳に挟んだのですが、今はコロナ禍で行事が少なく、広報誌の発行回数も減ったそう。何より、大人数のグループで作業を行う文化委員なら、出席回数が少なくても大丈夫そうと思ったんです」

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