コラム
知られざる女子刑務所ライフ163

名古屋刑務所、獄死者の“不可解”な遺体――元女囚が語る「刑務所の怖い話」

2023/02/19 17:00
中野瑠美改め瑠壬(作家)

 もともと男子刑務所は、女子刑務所に比べて刑務官や懲役(受刑者)同士のいじめがえぐいです。増えてるわけやなくて、最近は隠さないで出してるだけですね。

 でも、少子高齢化で事件も犯人も減ってますから、瑠壬がいた頃みたいに「6人部屋に8人」とか「独居に2人」とか、めちゃくちゃな収容はないし、少年院もだいぶなくなりました。

 収容者が多いと刑務官も忙しいけど、今はそんなことないでしょう。ヒマやから事件が起こるのかもしれません。例えば高知刑務所は、懲役がトイレに時間がかかってたら、刑務官が別の懲役にのぞきに行かせたそうです。

 いやですよね、そんな羞恥プレイ……。

 あと殴る蹴るだけやなくて、言葉の暴力もあるんですね。千葉刑務所では、一昨年に刑務官が「死ね」とか言って懲役をわざと怒らせ、独居の保護室に入れたそうです。

 まあ、この件はすぐにめくれて(発覚して)て、いじめた本人も認めてたようです。でも、理由が「独り言を言ってうるさいから」って、どうなんですかね。

 独り言なんかみんな言いますし、普通じゃないような大きな声とかの独り言なら、「拘禁ノイローゼ」かもです。いきなり暴れないよう体を拘束する「保護室」に入れる前に、お医者さんに診てもらうとかあるんですが、そうはならないのがムショです。

 最近は「独り言」が多いとか、ムショに入りたくて万引するおじいさんとか、刑罰より医療や介護が必要な懲役も増えてますから、そうゆう「弱い人」に暴行する刑務官は減らないと思います。地獄ですね。

 瑠壬も、よう生還できたなと思います。まあその前に、行くようなことをやってはアカンですね。

 結局、クスリ(違法薬物)も自覚の問題なんですよ。自分でやめようと思わないとやめられません。今は毎日がとても充実してますし、生まれてきてよかったと心から思えます。

中野瑠美改め瑠壬(作家)

1972年大阪・堺市生まれ。覚せい剤取締法違反で4回逮捕され、合計12年の懲役を経験。出所後は、刑事収容施設への差し入れ代行業や収容者と家族の相談窓口などを行う。現在は堺市内で「Night Space祭」を経営。著書『女子刑務所ライフ』(イースト・プレス)がある。

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Instagram:@rumichibi1209

瑠壬公式YouTube

最終更新:2023/02/19 21:54
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