仁科友里「女のための有名人深読み週報」

貴乃花と河野景子の娘・白河れいに勧めたい「個性のなさ」が生きるあの仕事

2023/02/09 21:00
仁科友里(ライター)

貴乃花と河野景子の娘・白河れい、視聴者の印象に残らない『さんま御殿』でのトーク

 そんな白河だが、『さんま御殿』を見るに、私には“大物二世”以外の彼女の特徴が見えなかった。 例えば、「コンプレックスに負けるなSP 有名人の密かな弱点とは」というトークテーマのもと、白河は「私は肩幅がすごい広くて、それがコンプレックスです」と告白。「そのおかげで、顔が小さく見えると言われることもあり、コンプレックスは武器になる」とオチをつけたので、うまく自身のアピールにつなげられたとも言えるが、特にインパクトがある話ではないだけに、 視聴者の印象にあまり残らないのではないだろうか。

 デビューしたばかりの新人だから、すべてがぎこちないのは当たり前なのかもしれない。けれど、あまり個性がないというか、フリートークがうまくないように感じるのだ。こう書くと、白河を下げているようだが、私はそこに、彼女が輝ける道を見た。世の中には個性がありすぎては務まらない仕事がある。そう、女子アナだ。

 きらびやかな経歴や見た目で視聴者の興味を引く一方、個性がそれほど強くないので出演者の邪魔をしない存在――そんな白河は、女子アナに向くと思う 。それに、芸能人に二世は多いが、女子アナの世界ではほぼ聞いたことがないため、「日本初の親子女子アナ」として話題を呼ぶのではないか。

 女子アナが書いた本を読むと、彼女たちにはどういうわけか、節目の時に手紙を書く傾向があることに気づく。白河も通信手段が発達した今の時代に、父親にあえて手紙を送るあたり、その女子アナ遺伝子が引き継がれているといえそうだ。

 芸能人のような華やかさがありつつも、会社員としての安定も約束されている職業である点も、世襲ではない二世には魅力的だと思う。白河自身は女優の道に進むと話しているそうだが、まだ20歳と若いのだから 、将来の仕事を一つに決めずに、いろいろなことに挑戦していただきたいものだ。



仁科友里(ライター)

仁科友里(ライター)

1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。著書に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)、『確実にモテる 世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)。

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最終更新:2023/02/09 21:00
夢でなく、使命で生きる。 根拠なき自信で壁を越える68の言葉 / 花田 優一 著
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