コラム
【連載】堀江宏樹に聞く! 日本の“アウト”皇室史!!

Netflixドキュメンタリー『ハリー&メーガン』が映し出すメーガンの葛藤と傲慢

2023/02/11 17:00
堀江宏樹(作家・歴史エッセイスト)

 そもそもヘンリー王子の私邸に滞在するほど、2人の関係が深まっていたのなら、その時点で、彼氏の仕事がどういうものなのか、どういうふうに行われているかを、調べるはずではないでしょうか。また、社交界デビューを控えた女性のために、コーテシーを教えてくれるマナー教師はイギリス、とりわけロンドンにはたくさんいるはずで、どうして最初の公務が目前に迫るまで「知らなかった」「英王室のメンバーの公務の映像なんて見たこともない」などと言っていられたのでしょうか? 

 自分の生きてきた“中流”以外の世界、そしてそこで必要とされる”常識”など存在しないかのように振る舞うメーガンさんの行動パターンはあまりに独善的であり、本当に最上流階級……もっというと王室に入って良い女性とは思えないものがありました。

 しかしそういう“部外者”だからこそ、新しい風を英王室に入れることができたこともまた事実だとは思います。短期間で終わった英国生活ですが、それでも彼女の貧しい人々に対する尽力には目を見張るものがありましたね(この番組ではじめて知りましたが)。ただ、これにも厳しい言い方をすれば、民間の活動家としては合格でも、王室のメンバーとしては本当に適切な範囲での尽力であったかは、また別の話といえるでしょう。

 かつてヘンリー王子の報道を担当していたという男性が「メーガンが何を言い出すかわからないので苦労した」というようなコメントをさらっとしたあたりに、周囲の困惑ぶりが透けて見えるようです。

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