妻夫木聡『Get Ready!』第1話10.2%好発進も「チープ」「意味不明」の評価――TBS日曜劇場の“迷走”ぶり
妻夫木聡が主演を務める日曜劇場『Get Ready!』(TBS系)が、1月8日に放送スタート。劇中に登場する“闇医者チーム”に対し、ネット上で「胡散臭すぎる」と酷評が続出してしまった。
『TRICK』シリーズ(テレビ朝日系)などで知られる堤幸彦氏が演出を務める同作は、多額の報酬と引き換えに患者の命を救う「仮面ドクターズ」と呼ばれる謎の闇医者チームを描いた医療モノ。天才執刀医でありながら、昼間はパティシエを務める主人公・波佐間永介(通称・エース)を妻夫木が演じるほか、オペ患者との交渉役・下山田譲(ジョーカー)を藤原竜也、凄腕オペナース・依田沙姫(クイーン)を松下奈緒が演じる。
「完全オリジナルストーリーながら、主人公が法外な治療費と引き換えに超人的なオペを施すという設定や、主人公の頭部の右側に白髪があるビジュアル、闇医者チームの呼称がトランプに関連する点などから、手塚治虫の名作『ブラック・ジャック』をオマージュしたドラマであることがうかがえます。また、妻夫木は2003年、『ブラックジャックによろしく』(講談社)を原作とした同局の連続ドラマで主演を務めており、同ドラマのファンからも期待の声が上がっていました」(テレビ誌記者)
※以下、『Get Ready!』初回のネタバレを含みます
初回では、余命宣告を受けた資産運用会社CEO・渋谷隆治(池松壮亮)の前に怪しい仮面をつけたジョーカーが登場し、渋谷の総資産額の8割にあたる800億円を要求しつつ、オペを受けないかと交渉。
しかし、渋谷の会社が国内企業を買収し、海外企業に技術を流出させるハゲタカファンドであったことから、エースが執刀を拒否。その後、初心を思い出した渋谷が資金不足に陥った町工場を救うために尽力するようになったことから、エースがiPSブロック肺移植術で命を救う……という展開だった。
この初回は、世帯平均視聴率は10.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)を記録し、同枠の前クールで放送された山崎賢人主演『アトムの童』の初回8.9%を1.3ポイント上回る好スタートを見せた。
しかし、ネット上では「闇医者側から営業かけといて、助けるかどうかはわからないって意味不明」「何これ? 闇医者が必死で営業しててダサいし、手術が失敗してもリスクないし、緊迫感がまるでない。日曜劇場、迷走してる?」と疑問の声が続出。
さらに、ダークヒーローを期待していた視聴者からは「肩透かしをくらった」という反応も目立ち、「妻夫木聡と藤原竜也が出るから楽しみにしてたのに、これじゃあ無駄づかい」などと厳しい評価が相次いでいる。
「骨太なお仕事ドラマをヒットさせてきた日曜劇場ですが、『Get Ready!』は今のところ芯の通ったテーマが見えず、全体的にチープな印象。そのせいで、どうしても闇医者チームが“胡散臭い集団”にしか見えません。今後、チームメンバーの人間ドラマなどが描かれれば印象も変わりそうですが、それまでに多くの視聴者が脱落してしまうかも」(同)
気楽に見られる医療ドラマとしては評価されそうだが、「日曜劇場」にしては重厚感に欠ける印象もある『Get Ready!』。エンタメに振り切った同作が、どこまで視聴者に受け入れられるのか、今後に注視したい。