『フルハウス』『ハリー・ポッター』出演俳優、世界的歌手や元アイドルも【2022年に亡くなったセレブ10人】
透き通るような美貌を誇る演技派として知られた女優。8月5日、運転する車が猛スピードで住宅に突っ込み炎上。重度のやけど、脳損傷を負い、搬送先の病院で医師団による懸命な治療を受けたが11日に脳死判定が下り、14日に臓器移植のドナー登録が確認されたため、 生命維持装置が外された。
オハイオ州出身、保守的なクリスチャンの家庭に生まれ、文明の利器をほとんど使わず自給自足生活を送る厳格なキリスト教者共同体アーミッシュのコミュニティに住んでいたこともあった。12歳の時に父親がエイズで死亡。その3カ月後に兄が交通事故で死亡したが、アンは自殺だったと推測。父からは幼少期に性的虐待され、性病を移されたこともあると告白している。
高校の演劇クラブの舞台に出演した際にスカウトされ、ニューヨークに移って本格的に女優活動を開始。人気昼メロドラマ『Another World』にレギュラー出演したことがきっかけで、トップ女優の座へと、とんとん拍子にに上り詰めた。映画『サイコ』(98年)やテレビドラマ『Hung/ハング』(09~11年)など、数多くの作品に出演した。
プライベートではエレン・デジェネレスとの交際で注目を集めたが、破局後は別の男性と結婚して息子を出産。離婚後に交際した俳優との間にも息子がいる。
重度のやけどのため酸素が脳にいかない無酸素状態となったことが死因。司法解剖の結果、コカインや大麻成分が検出されたが、過去に使用したもので、事故当時はそれらの影響下にはなかったとされている。亡くなる前に出演したポッドキャストで元恋人のエレンにキャリアを潰されたとぶちまけていたことから、彼女の死にはさまざまな臆測が広がった。
クーリオ(ラッパー) 9月28日死去 享年59
1995年にリリースした「ギャングスタ・パラダイス」が爆発的な大ヒットとなり、幅広い層にラップの魅力を広めた。音楽プロデューサーでもあり、俳優や料理人にも挑戦するなど話題を振りまいたアーティストだった。
カリフォルニア州出身。両親が離婚後、母親に引き取られ、コンプトン地区で育った。治安が悪く荒れた地区だったが、ぜんそくがひどかったため図書館に入り浸り、ギャングには所属しなかった。警察沙汰を起こして刑務所に入ったり、クラック・コカイン依存になったりしたが更生し、消防士やロサンゼルス国際空港のセキュリティなどの仕事をしつつラッパーとしてメインストリームデビューする機会を狙った。
91年、WC率いる「WC&マッド・サークル」のメンバーとなり、本格的にラッパーとしての活動を開始。94年にトミー・ボーイ・レコードと契約を結び、デビューアルバムをリリースした。翌年、映画『デンジャラス・マインド/卒業の日まで』(95年)で使用されたR&B歌手L.V.とのコラボシングル「ギャングスタズ・パラダイス」が爆発的なヒットとなり一躍スターに。歌詞に卑語が含まれなかったのが万人受けした要因だといわれるが、これはサンプリングの元曲の作者であるスティーヴィー・ワンダーが嫌がったから。グラミー賞を受賞した名曲「ギャングスタズ・パラダイス」のリリックはクーリオ自身の経験がもとになっているが、“何かが降臨した”という見解を示していたかのようにスラスラ出てきたという。
クーリオは、テレビ番組のオープニングソングを手がけるなど、音楽プロデューサーとしても活躍。自分のすべての曲の著作権をオークションにかけ、料理人として活動する資金に充てたり、チャリティ活動を積極的に行うなど慈善家でもあった。その一方、トラブルも多く、2012年に交通違反の出頭命令に応じなかったとして逮捕。送られた拘置所に強盗容疑で逮捕された息子が入っていたことから、「親子で拘置所入り」と大々的に報じられた。
死因は心臓発作だったとみられている。兆候はなく、友人宅を訪れトイレに行ったところで倒れ、あっけなく亡くなってしまった。