コラム
オンナ万引きGメン日誌
エコバッグ窃盗犯の女VSベテラン万引きGメン! 防犯機器の「電源を抜く」狡猾な手口
2022/12/17 16:00
「イラッシャイマセ」
数多くの商品が居並ぶサプリメントコーナーの商品棚には、人感センサー付きの防犯モニターが装着されています。機械による声かけと、売場に立つ客自身の姿をモニターに表示することで、万引き犯に「見られている」と意識させる防犯機器です。売場に足を止めたところで反応され、その存在が気になったらしい女性は、じろじろとモニターを見つめました。するとまもなく、裏側にある電源コードを抜いて、レンズ面を天井に向けて無力化してしまいます。
「絶対にやる」
防犯機器の電源を抜く理由は、商品を盗むためのほかは考えられません。天井には多くの防犯カメラが付いており、このモニターを無効化してもたいして状況は変わらないのですが、思いのほか気になっているようです。犯行を確信して棚取りを注視したところ、さまざまな種類のサプリメントを複数ずつ手にした女性は、手首にかかるエコバッグの中に隠しこんでいきました。
(DHA、マルチビタミン、プラセンタ、グルコサミン、ナットウキナーゼ……)
すべての商品を複数ずつ取っていますが、手の動きが早く正確な数までは見きれないので、商品名だけを記憶していきます。時間にすれば、20秒ほどでしょうか。手早く商品を隠して、出口方面に向かう女性の後を追うと、通路上に設置されたワゴンにあるセール品のタオルを手に取りました。あたかも自分のモノのように首元を拭くと、エコバッグの中にある商品を覆い隠すようにしています。