『ねほりんぱほりん』シーズン7レビュー

『ねほりんぱほりん』転売ヤーは罪悪感ほぼなし! 儲けの手口と「メーカーが悪い」という持論【2022年シーズン7】

2022/12/05 11:20
加古りえ(ライター)
『ねほりんぱほりん』転売ヤーは罪悪感ほぼなし! 儲けの手口と「メーカーが悪い」という持論【2022年シーズン7】
写真ACより

 NHK Eテレの人気番組『ねほりんぱほりん』のシーズン7が10月7日よりスタートした。かわいらしいモグラの人形ねほりん(山里亮太)とぱほりん(YOU)が、ブタの人形に扮した“顔出しNG”の訳ありゲストに、聞きにくい話題を“ねほりはほり”聞き出す新感覚トークショーだ。

※本記事は『ねほりんぱほりん』シーズン7「転売ヤー」のネタバレをみます

『ねほりんぱほりん』転売ヤー、現役弁護士や「転売」を起業と言い張る女性らが登場

 今回のテーマは、プレミアのつく人気の品などを買い占め、正規の値段より高く売って儲ける「転売ヤー」。ゲストには、現役転売ヤーのヒロシさん(40代、歴23年)、ユーリさん(30代、歴5年)、タイヘイさん(30代、歴10年)の3人が登場した。詐欺まがいの転売で荒稼ぎする人たちってヤクザみたいな感じなんでは? と先入観を持っていたのだが、3人は話を聞く限り至って普通の人々だった。

 ヒロシさんは3人の子を育てる既婚者。「ほかにお金を稼ぐ能力がないので転売をやっている」という専業転売ヤーであり、転売で稼いだお金で一家を支えているそう。ユーリさんは「転売したかったというより独立したかった。要は起業です」と、転売を起業と言い張る女性。実業家の“秒速で1億稼ぐ男”こと与沢翼に憧れを抱き、「こんなふうに自分の力で稼いで、ビジネスをして生きていくってめっちゃいいなって思って転売にたどり着きました」と語っており、ちょっとズレた意識高い系であることがうかがえるが、あっけらかんとしており、本人に悪意は感じられない。

 そしてタイヘイさんは、都内で働く現役の弁護士とのこと。「ちゃんとルール(法律)を守ってやれば、まったく問題ないです」と転売を正当化し、「中古品を扱うときは古物営業法の許可が必要であるとかですね」「税金ちゃんと納めないと脱税になりますよ、とかですね」などと解説する。今回の3人は、全員「古物商許可」を取得しており、それを免罪符かのように掲げていた。 


『ねほりんぱほりん』転売ヤーの「儲ける方法」とは?

 転売ヤーはどれくらい、どうやって稼いでいるのか!? というのは、気になるところ。ヒロシさんの儲けは、23年間で「1億ちょっと」。ユーリさんは「年間で300万円」、タイヘイさんは「10年で2000~3000万円」だとか。

 ヒロシさんはプレミアのつくおもちゃやスマホなどを転売するほか、「無在庫転売」なる商売もしているそう。実際には在庫を持っていないにもかかわらず、他ECサイトで販売しているある商品の情報をコピーし、値段を釣り上げて自身のショップサイト掲載。注文が入った時点でそのECサイトから購入し、高く売って差額を儲けにする仕組みだそう。ヒロシさんは「調べない、情報に弱いお客様、ありがとうございます!」と開き直っており、情報弱者から詐欺まがいの方法でお金を取っていることは自覚している様子だ。

 別の転売問題に詳しい弁護士の解説によれば、無在庫転売という儲けの手口は、法律では特に禁止されていないそうだが、ECサイト・転売サイトでは禁止されているケースもあり、「購入者が在庫がないなら買わなかったといった場合は、詐欺罪・詐欺未遂罪がありうる」「ECサイトへの業務妨害罪が成立する可能性もある」とのこと。安易にマネするのは危険そうだ。

ねほりんぱほりん ニンゲンだもの