コラム
仁科友里「女のための有名人深読み週報」

石橋貴明の「若い子とがんがんセックス」宣言に“老い”を指摘――「新しい大御所」研ナオコの秀逸さ

2022/12/01 21:00
仁科友里(ライター)

 反対に、『石橋プレミアム』で、「新しい大御所」としての存在感を示したのが、研ナオコではないか。

 YouTubeチャンネルで公開したメイク動画の再生回数が、最高585万回(11月30日時点)と大バズりした研。10代から圧倒的な支持を得ているというが、石橋は研がすっぴんをさらしたことについて「YouTubeすげーな。何でもアリになってんだな」と驚いたそうだ。しかし、素顔をさらしメイクをする過程を見せるメイク動画は、芸能人一般人問わず、それほど珍しいものではない。ただ、研のような「大御所」がやることがかなりマレであり、だからこそ面白いわけだ。

 石橋が研のすっぴんさらしに驚いてしまうのは、「大御所は、身を切ってまで笑いを取る必要はない」と大上段に構えて、若手のタレントや一般人を下に見ているからではないだろうか。逆にいうと、研が臆することなくメイク動画を公開するのは、石橋のような見下しをしていないからともいえる。

 また、研はトーク力も衰えていない。かつて野口五郎と組んでコンサートをしていたものの、今は辞めているそうで、その理由を「あの人、面倒くさいじゃん」とあっけらかんと語り、スタジオを盛り上げた。悪口で笑いを取れるのは、研のキャラクターあってこそだが、自身と同じ「大御所」を腐しているからというのも大きいだろう。

 また、女優・鈴木保奈美と離婚した石橋が「すごい寂しいんですけど、一人は」と訴えた際、研が「そんなこと言ったって、しょうがないじゃん。自分で決めたんだもん」とバッサリ斬ってみせたのも見事だった。「芸能界広し」といえども、石橋相手にこれを言えるのは、研が「大御所」だから。

 つまり研は、「大御所」という立場だからこそできるほかの「大御所」イジりで、笑いを取ったわけだ。これは見ている人を嫌な気持ちにさせない、今のバラエティで“結果”を残せる「新しい大御所」の姿なのではないか。

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