コラム
【連載】堀江宏樹に聞く! 日本の“アウト”皇室史!!

朝日新聞のスッパ抜きに宮内庁は激怒! 天皇ご本人にも伏せられた“事実”に皇族の反応は……

2022/12/17 17:00
堀江宏樹(作家・歴史エッセイスト)

――そして朝日新聞・共同通信社が「末期の膵臓がん」をすっぱ抜いてから約3カ月後の翌89年1月7日早朝、昭和天皇は崩御なさいました。

堀江 島津さんや、池田さんたちお子様がたは、陛下の手を握ったり、おみ足をさすったりしてお看取りになったとのことです。実はこうした情報は、まさに陛下が崩御なさった当日、雑誌「SPA」(扶桑社)が島津さんと池田さんのお二人にインタビューを敢行しており、その記事がソースなのです。

――「父・陛下の最期は穏やかでした」という記事(「SPA」89年1月19日号)ですね。昔の「SPA」って、“中流サラリーマンの悲喜こもごも”みたいな記事が目立つ現在の誌面とはかなり違い、硬派な気が……。

堀江 私もびっくりしました。この記事もだいぶ驚くところがあって、インタビュアーもなぜかフジテレビのベテラン・アナウンサー(当時)の露木茂さんなんですね。

 昭和天皇崩御の当日早朝、宮内庁は「諸般の事由から慢性膵炎と公表してきましたが、最終診断は十二指腸乳頭部周囲腫瘍、腺がんとします」とついに発表しています。

 本来なら、(元)皇女である池田厚子さんと島津貴子さんには「本当はどの程度、昭和天皇の病状をご存じだったのですか?」と聞きたかったかもしれませんが、そういう話は一切ナシ。おそらく、そういう話で打診したら断られると感じたので、「陛下の最期のご様子と、父・昭和天皇との思い出を振り返っていただきたい」というオファーを送って、お二人のインタビューが成立したという経緯が感じられる記事でした。

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