コラム
【連載】堀江宏樹に聞く! 日本の“アウト”皇室史!!

「昭和」最後の日、天皇崩御時の報道フィーバーと「自粛」空回り―日本中の異変からわかること

2022/12/31 17:00
堀江宏樹(作家・歴史エッセイスト)

堀江 しかし、君主の体調不良については、どれほど情報を公開しても、「もっと、もっと!」とマスコミからは求められ、そのことが君主ご本人にとって「良いこと」にはならない可能性があったと思います。昭和天皇のときは、それが顕著だったのではないでしょうか?

――どちらが良いのかわからないですね。天皇家の方々における、とくに重篤な病状の公開は、昭和天王崩御時の報道フィーバーを考えると、今後は慎むほうがよいと堀江さんはお考えですか?

堀江 そうですね……。深刻な体調不良が明らかになると、国民生活への影響が大きいというのもあります。実際、昭和天皇重体報道が飛び交うと、日本中で「異変」が起きました。

 その名も「皇族はどう考えていらっしゃるか 『陛下の御心を思うに国民の行事自粛は行き過ぎです』」という三笠宮寛仁親王のインタビュー記事(小学館「女性セブン」1988年10月20日号)では、「相次いだ“自粛・取りやめ”」の例として、各地のお祭りの類いが自粛となったのに続き、「日産自動車の新型車CMのコピー、井上陽水がいう“みなさんお元気ですか”というセリフが口パク」になったとか、東京トヨペットが「生きる歓び」というポスターを撤去したとかいろいろとありますね。

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