なにわ男子・大橋和也の「好きな小説家」の1冊を読んだら……天真爛漫キャラとの“ギャップ”がすごい!
――アイドル好きのブックライター・保田と編集部員・B子が、タレントたちの“愛読書”を片手に、人となりを妄想中!? 「サイジョの本棚」前で、おしゃべりが始まります!
◎ブックライター・保田 アラフォーのライター。「サイジョの本棚」担当 で、一度本屋に入ったら数時間は出てこない。海外文学からマンガまで読む雑食派。趣味(アイドルオタク)にも本気。
◎編集部員・B子 猫と暮らすアラサー。芥川賞、直木賞、本屋大賞あたりを一通りチェックしたい、ミーハーな本好き。最近はノンフィクションばかり読んでいる。趣味(ジャニーズオタク)にも本気。
なにわ男子・大橋和也がハマった『崩れる 結婚にまつわる八つの風景』
編集・B子 最近、若手ジャニーズの勢いがすごいよね。その中でも、“本好き”としてファンに知られるSixTONES・松村北斗の愛読書『北海道室蘭市本町一丁目四十六番地』(幻冬舎)については紹介したけど、なにわ男子・大橋和也も読書家なんだって。
ライター・保田 そうなんだ! どんな本を読むのか気になる。
編集・B子 以前、雑誌の取材で「好きな小説家」として名前を挙げていたのが、多数のミステリー作品を世に送り出している貫井徳郎。一番初めに読んで「ハマった」のが、『崩れる 結婚にまつわる八つの風景』(KADOKAWA)だと明かしてた。
ライター・保田 大橋くんって、ジャニーズに詳しくない私でも「明るいキャラクター」っていうイメージがあるから、その作家と作品を選ぶのは意外! てっきり、王道エンタメ小説を好むかと思ったけど、なかなかダークな作品を選ぶんだね。
編集・B子 はっすんは「ドロドロ系」が好きって言ってるみたいだけど、『崩れる 結婚にまつわる八つの風景』もそんな感じの話なの?
ライター・保田 タイトル通り「結婚」をテーマにした1話完結型のミステリー短編集だよ。ミステリーといっても派手なトリックやアリバイがあるような話じゃなくて、日常生活にひそむ男女のすれ違いや、よく知っているつもりでいた他人の心の闇を描き出して、思わずゾクッとしてしまうような作品が多い。
編集・B子 いつも明るくて太陽みたいな存在のはっすんが、そんな小説を読んでいたとは……ギャップがすごくていい!
ライター・保田 短編の一つ「見られる」は、結婚を控える女性のもとに、見知らぬ男性から執拗ないたずら電話がかかってきて……という話。ネタバレは控えるけど、問題が解決したように見えて、ラストのページで人間不信に陥るぐらいヤバい展開が待ってるの。
編集・B子 いわゆる「イヤミス」ってやつだ。ラストで展開が引っくり返される小説って、やっぱり読んでいて楽しいよね。すごく気になってきたわ。
ライター・保田 表題作の「崩れる」も、短いのにラストが鮮やかで、短編小説の醍醐味を味わえるよ。ほとんどの登場人物にひと癖あって、「嫌な人だけど、こういう人どこかにいるのかも」と思わせる人間描写のリアリティーが、作品の味になってると思う。
編集・B子 はっすんの趣味は「人間観察」だから、そういう癖のあるキャラクターが好きなのかもしれないね。ちなみに、貫井さんのほかにも湊かなえや中村文則の小説が好きなんだって。
ライター・保田 作品にもよるけど、その2人も人間のネガティブな面をえぐって、多面性や深みを出す描写が印象的だよね。大橋くんは闇を抱えた人や、そういう人が登場する話に惹かれるのかも。
編集・B子 はっすんは若いころから芸能界で生きてるし、人に対して達観しているところはありそう。天真爛漫に見えて、実は人間の裏側を見つめるクールな一面があるとか、アイドルオタクはもれなく大好きでしょ!?
ライター・保田 確かに、今かなり大橋くんに興味が湧いてる(笑)。