コラム
仁科友里「女のための有名人深読み週報」

小室圭さんの「内面」を持ち上げ、眞子さんは「見る目がある」と称賛――司法試験合格への著名人コメントに違和感を覚えるワケ

2022/10/27 21:00
仁科友里(ライター)

 圭さんが合格したことで、AV監督・村西とおる氏は、自身のTwitterで「なんのかんのといっても眞子さまの目利きが優れていたことが証明された」、漫画家の倉田真由美氏は10月22日配信のウェブサイト「AERA dot.」の記事で「眞子さんの見る目は確かだったと言えるし、たたいてた人も目を覚まさせられたのではないでしょうか」と発言していた。

 おそらく、眞子さんは司法試験に受かるような能力のある男を見極めて選んだ、だから、見る目があると言いたいのだろうが、これもちょっと話がズレているように思う。

 そもそも国民が圭さんに不信感を抱いた主な理由は、2つあるといえる。1つ目は、圭さん本人のことではないとはいえ、お母さんの金銭問題を放置するかのように思える態度に、小室家の良識が問われた。2つめは、小室さんが米フォーダム大学に留学した際に、同大のホームページに「プリンセス・マコのフィアンセ」と書かれていたことから、小室さんが眞子さんの女性皇族という立場を自らの“箔付け”に利用し、特別な待遇を受けたのではないかと物議を醸した。つまり、司法試験に合格するかどうかは二の次三の次だったはずなのだ。

 また、村西氏、倉田氏ともに、小室夫妻を応援しているように見せかけて、実は真逆のことをしているのも気になる。

 主に結婚の際、女性に対して「オトコを見る目がある」ということは珍しくないが、男性に対して「オンナを見る目」という表現がなされることはほとんどない。これは「オトコは仕事、オンナは家庭」という性別分業が長いことなされていたため、夫婦で仕事をして、夫婦で家庭のことをするという意識のある人がまだまだ少なく、加えて、「女性の幸せは男性次第」という観念が村西氏&倉田氏をはじめ、世間にも根強く残っているからではないか。

 もしそうだとしたら、今後、内親王の結婚はかなり難しくなるだろう。ジェンダーフリーが叫ばれる中、自分だけが経済力その他もろもろの負担を引き受けて、内親王を「幸せにする」という考える男性は少ないと思うし、それでも結婚したいという男性が現れても、大きな負担に耐えかねて結婚生活に挫折する可能性がある。「オトコを見る目」を評価することは、内親王および相手の男性を苦しめる遠因になるように思えてならないのだ。

小室夫妻と秋篠宮家の溝はまだ埋まっていない?

 見事合格を果たした圭さんだが、まだまだこれで一件落着とはいかなそうだ。10月21日配信のニュースサイト「FRIDAY DIGITAL」は「3度目の正直も…小室圭さん『合格ですべてOK』とはならない訳」と伝えており、日本のマスコミや国民は今後も小室夫妻を放っておかないとみられる。

 一方、同24日放送の『ゴゴスマ~GO GO!Smile!~』(CBC)では、皇室ジャーナリストの近重幸哉氏が、小室夫妻は「宮中の催しにご夫妻そろって招かれるのは、まだまだ少しハードルが高いのではという感じがしますね」と語り、一連の結婚騒動によって生まれた小室夫妻と秋篠宮家の溝は埋まっていないことを示唆した。

 しかし、2人で経済的に自活してやっていけるのなら、世間の声も“実家”の声も関係ない。どうか、堂々と自分たちの幸せを追求していただきたい。



仁科友里(ライター)

1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。著書に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)、『確実にモテる 世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)。

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最終更新:2022/10/27 21:00
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