コラム
“中学受験”に見る親と子の姿
小学校の先生に「邪魔者扱い」された息子が、中学受験で最難関私立へ! 母が「ギフテッド支援」に思うこと
2022/10/08 16:00
現在、碧斗君は最難関と呼ばれる私立中高一貫校の高校1年生。和歌子さんが、最近の碧斗君の様子を教えてくれた。
「夏休みの話なんですが、秋の学園祭でダンスをすることになり、クラスメートと一緒に学校近くの公園で練習していたそうです。そしたら、その土地が微妙に傾斜していたそうで、練習をほったらかしにして、全員で傾斜角度の計算をしだしたと。コーチ役の女子校の生徒さんにあきれられたって言ってました(笑)。『それじゃ、絶対、女の子にはモテないわね』って言ったら、碧斗が『だな』って、変な笑顔を返してきたので、私も笑っちゃいましたよ。女の子にはモテないかもしれませんが、この学校に入ってから、碧斗は本当に楽しそうなんです」
現在の碧斗君が、居心地の良い環境で友人たちと切磋琢磨できる日々を過ごしているのは喜ばしい限りである。
しかし、和歌子さんが言ったとおり、社会には、勉強ができる子や頑張る子を「異端児」あるいは「ガリ勉」と蔑む風潮があるのも事実だろう。
何の分野でもそうだが、日常の頑張り、もっといえば「自分自身」を認めてもらえないことは本当に悲しいこと。特に「ギフテッド」と呼ばれる特異な才能がある子は、往々にして、同年代の子どもとの発達レベルに差がありすぎるので、同調圧力の強い場では対人関係がうまくいかなくなるケースが多いのだ。
幸いなことに、冒頭で述べたように、文科省は来年度中にも「ギフテッド」の子に向けた効果的な指導法や支援策づくりをまとめるという。碧斗君をはじめ、教室で“浮きこぼれ”てしまい、悲しい思いをする子がいなくなるような柔軟な施策ができることを願っている。
最終更新:2022/10/08 16:00