『ザ・ノンフィクション』レビュー

『ザ・ノンフィクション』お父さんは「いない」という長男の複雑な気持ち「ボクのおうちに来ませんか2 ~モバイルハウスと新たな家族~」

2022/10/03 21:05
石徹白未亜(ライター)

『ザ・ノンフィクション』複雑な心境を話す息子の一方、母は……

 あおしがそのように、繊細な思いを表現しようと模索しているのに対し、それを横で聞いていた朱里は「みんなでそう思い合えるならうれしい」と涙をぬぐっており、これはかなり“雑”だと思った。

 朱里の「みんなでそう思い合えるならうれしい」の「そう」は「家族になる」ということなのだろう。番組を見る限り、これはその直前に発せられた息子二人の言葉を受けたものだが、赤井は結局、結婚について明言していない。さらに、その直前のやりとりでもストレートに家族になりたいと言っているのはとうわで、あおしの心境はもう少し複雑に見えた。

 番組を見る限り、明らかに家族になりたい意向があるのは朱里ととうわの2人だと感じる。しかし、朱里は4分の2の意見なのに「“みんなで”そう思い合えるならうれしい」と言ってしまうあたり、自分の都合の良いように解釈しているようにも聞こえた。朱里が結婚したいのはよく伝わったので、「私は結婚したい」と言えばいいのに、と思う。