知られざる女子刑務所ライフ153

ムショではパジャマや靴下も“先輩”から受け継いだ中古品! 元女囚が教える「官給品」の世界

2022/10/02 16:00
中野瑠美改め瑠壬(作家)

女子刑務所のパジャマや靴下は「年代物」

 官給品は、セッケンやハミガキ、生理用品(昭和の分厚い系)とかの消耗品は新品ですが(あたりまえですね)、服やパジャマ、靴下、布団、シーツなどは、長い間、諸先輩から受け継がれたものです。

 都市伝説的に、有名な親分の姐さんは「ごつい姐さんかと思ったのに意外にセコい」とか言われるのがイヤで、なんでも「差し入れ屋からいちばん高いものを買う」みたいな話はありますが、瑠美は見たことないですね。女子は、つまんない見栄の張り合いはしないのです。

 ちゅうか、もともと差し入れ屋はボッタクリなんですよ。「どこで仕入れたらこんな値段になる?」みたいな話は、ずっと前からあります。

 要するに「お役所やから安値追求みたいな営業努力なんかできひん」という話のようですが、もっとお安くできると思いますよ。今のままやと差し入れ屋で買う人はますます減って、みんな官給品を使います。

 悪いことしたのに衣食住を税金で……と思うと申し訳ないのですが、知り合いの元・懲役が「朝から晩まで刑務作業しとったから、許して」とゆうてました。


 お許しいただけますでしょうか。スミマセン。

中野瑠美改め瑠壬(作家)

中野瑠美改め瑠壬(作家)

1972年大阪・堺市生まれ。覚せい剤取締法違反で4回逮捕され、合計12年の懲役を経験。出所後は、刑事収容施設への差し入れ代行業や収容者と家族の相談窓口などを行う。現在は堺市内で「Night Space祭」を経営。著書『女子刑務所ライフ』(イースト・プレス)がある。

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最終更新:2022/10/02 16:00
女子刑務所ライフ!
給食のアレ、「バッカン」っていうんだ……