ジャニーズJr.「22歳定年制度」――経営のプロに聞く「滝沢秀明氏が反感を買わない」ためのヒント
――Jr.グループの中にも、滝沢氏の担当とジュリー氏の担当が分かれているという可能性がありそうです。
大関 だとしたら、そこを見直すべきなのではないでしょうか。以前から、現場の実権を握る滝沢氏とオーナー家のジュリー氏の不協和音がささやかれていますが、両者の関係性がいまだ不安定で、組織がきっちり一つにまとまっていない印象も受けます。
滝沢さんは、先代のジャニー氏が亡くなり、当時の副社長・メリー喜多川氏も一線を退くという非常に難しい時期に後を継ぎました。ジャニー氏の仕事を彼一人で担うのは大変でしょうし、ジュリー氏との連携も大事ですが、一方でJr.の育成を手伝ってくれる、グループでのアイドル活動を経験した人物を周りに1~2人置くのも必要だと思います。例えばJr.の育成に関する新たな方針を打ち出した際、滝沢さん1人だけだと反発を買いやすいですが、「現場経験が豊富な先輩たちが協議して決めた」となったら、Jr.たちも納得しやすいはず。TOKIOやV6のメンバーに協力を得られないものかと思ってしまうのですが……。
――一部報道で、元V6の三宅健が、Jr.のオーディションの面接官を務めるようになったと伝えられました。
大関 それはとてもいいことですね。彼を専務などの目に見える形で役職に就任させるのもありだと思いますよ。
――前途多難な滝沢氏ですが、新たなジャニーズ事務所を担う人物として奮闘に期待したいです。
大関 ジャニー氏は管理者というより、彼自身が一番のジャニーズファンであり続け、ファンの目線でJr.の育成をしていたという話をよく聞きますが、上に立つ者のそうした態度が、Jr.の信頼感につながっていたと思います。滝沢さんも、ファンの目線で、Jr.といかに向き合って話ができるかという点を、いま一度考えてみるといいのではないでしょうか。
取材協力:大関暁夫(おおぜき・あけお)
All About「組織マネジメント」ガイド。東北大学卒。横浜銀行入行後、支店長として数多くの企業の組織活動のアドバイザリーを務めるとともに、本部勤務時代には経営企画部門、マーケティング部門を歴任し自社の組織運営にも腕をふるった。独立後は、企業コンサルタントの傍ら上場企業役員として企業運営に携わる。