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ジャニーズJr.「22歳定年制度」――経営のプロに聞く「滝沢秀明氏が反感を買わない」ためのヒント

2022/09/18 16:00
サイゾーウーマン編集部

――「事務所が一方的に契約解除を通達できる制度」と聞くと、なんて厳しい制度なのかと思ってしまうのですが……。

大関 プロ野球選手など、どこの世界でもあり得る話です。Jr.は社員ではなく、個人事業主としてそれぞれが事務所と契約している形でしょうから、事務所には「雇用を守らなければいけない」という考えはありません。これまでもJr.の専属契約を一方的に解除することに法的問題はなかったものの、明確に「満22歳まで」と線引きし、事前にJr.に通達したのが、今回の制度といえます。

――経営という観点から「22歳定年制度」を見た場合、その導入意図をどう捉えますか?

大関 事務所側に何らかの理由があって、あまりJr.を抱えたくない事情があるんだろうと感じました。ジャニーズは株式を公開していないので、財務状況は不明ながら、外側から見ていると、全盛期に比べて儲けが減ってきているのは想像に難くない。SMAP、嵐という超エース格のドル箱を失い、ここ1~2年で両者に代わるグループが出てくるとは考えにくい今、先行きは決して明るくないだけに、Jr.への投資を抑えざるを得なくなったのではないでしょうか。ただ、次の世代のSMAP、嵐になるような若いJr.のスカウティングや育成は行わなければいけないので、「ある程度売ってきたけれど、ものにならなかったJr.」を育成から外すと決めたのだと思います。

――ファン目線だと、ジャニーズデビュー組の若手、特にSnow Manの勢いはすさまじいという印象で、事務所も安泰というイメージだったのですが、企業コンサルタントの目線で見ると、先行きは決して明るくないのですね。「22歳定年制度」はジャニーズの懐事情に関係しているとなると、制度導入のメリットはまさにその点でしょうか?

大崎 そうですね、Jr.の育成に対する費用の垂れ流しを止められる点です。活動の年齢制限を設けずにJr.がどんどん増えていくと、コストがどこまで膨らむかわかりませんが、一定のルールを設け、費用対効果を踏まえながらJr.の育成を管理するのは、組織にとってプラスに働きます。

 一方、デメリットとしては、満22歳までの育成期間に、Jr.の隠れた才能を見つけられず、見切りをつけてしまうことによる損失。例えば、本来は俳優の才能があったのに、事務所に余裕がなく、演技経験を積ませることができずに切ってしまった……などです。しかし、過去の例を見ても、22歳を過ぎて急に芽が出ることは少ないと、事務所はわかっているのかもしれませんね。隠れた才能を見切ってしまうリスクを経験値に基づいて最小限に抑えるのが、「満22歳」という年齢だったのではないでしょうか。

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