カルチャー
【サイジョの本棚・打ち合わせ編】
乃木坂46・齋藤飛鳥の愛読書に“セクシャルなテーマ”がある? 『夜のミッキー・マウス』読んでみた
2022/08/28 11:00
編集・B子 『夜のミッキー・マウス』は詩集だけど、齋藤さんに小説をおすすめするなら、どんな作品がいいと思う?
ライター・保田 澁澤龍彦や安部公房の作品を愛読書に挙げるあしゅは、すでに確立された自分の世界を持っていると思うので、おすすめするのはおこがましいけど……。多忙で新作はチェックしきれていないと予想して、今年2月に出版されたばかりの、永井みみ著『ミシンと金魚』(集英社)を推したい!
編集・B子 この人って、去年「第45回 すばる文学賞」を受賞してデビューしたばかりの作家さんだよね? デビュー作の『ミシンと金魚』で「第35回 三島由紀夫賞」にもノミネートされて、話題になってたのを見たよ。まさにこれから注目の人だ。
ライター・保田 ケアマネジャーとして働く永井氏によって書かれた本作は、認知症を患う女性「カケイさん」が日常や半生を語る小説。カケイさんの一人語りは、高齢者特有の滑舌が甘くなっているところもそのまま書かれていて、独特の味わいを持った魅力的な文体になっているの。谷川俊太郎の詩集のように、日本語の美しさや楽しさを感じられる作品だと思う。
編集・B子 実体験に基づいたお話っぽいね。一体どんなストーリーなの?
ライター・保田 自宅とデイケアサービス、病院を往復する日々を過ごすカケイさんが、ある人に「これまでしあわせでしたか?」と問われたことをきっかけに、まま母に受けた暴力や失踪した夫、兄や子どもの死など、自身の過去を語り出すの。そして、来たるべき自分の死に立ち向かう……という話。
編集・B子 なんか、こう言っちゃなんだけど、あらすじを聞くと結構重そうな内容だね……。