アプリやSNSで大麻や覚醒剤が気軽に買える時代に……元女囚が考える「子どもたちの薬物依存」
覚醒剤の使用や密売などで逮捕起訴され、通算12年を塀の中で過ごした後、その経験を基にさまざまな活動を続ける中野瑠美さんが、女子刑務所の実態を語る「知られざる女子刑務所ライフ」シリーズ。
コロナデビューしました
この夏は猛暑の上に大雨で、すごかったですね。ゆっくりお休み取れましたか?
実は、瑠美は7月にコロナデビューしておりました。仕事柄いろんな方に会うから、気をつけてるつもりでしたが、やっぱりどっかでうつりました。思い当たるところはないのですが……。
呑みすぎた次の日に、なんとなく手首や足首が痛くて、「呑みすぎやな」と思うてたら、微熱が出てきて、すぐにドーンと上がりました。最高は39度4分……。子どもの熱ですね。何も食べられずに激痩せしましたが、おかげさまで今は嗅覚も味覚も戻っております。
コロナもいろんなタイプがあるようで、瑠美の場合はノドの痛みより頭痛がひどくて、もう寝てるしかなかったです。ただ高齢の親が陰性やったのは不幸中の幸いでした。瑠美の陽性判定が出る日の朝に、母に会うてたんです。
この連載は隔週やから、これも大丈夫でしたが、編集者さんに言うたら、当たり前ですがびっくりされました。
今は誰がいつかかってもおかしくないし、「株」が違えば何度もかかりますから、気をつけようがないです。感染したら、ゆっくり休んでくださいね。
「自転車」=「コカイン」の理由
熱や頭痛がひどくなければ寝ながら本も読めますが、今回はムリでした。編集者さんから勧められた『スマホで薬物を買う子どもたち』(新潮社)は、今月に入ってから少しずつ読んでます。著者は元マトリ(厚生労働省・麻薬取締官)の瀬戸晴海さんです。女性らしい名前ですが、なかなかのイケオジでした(笑)。
ネタバレしない程度に書きますと、生まれた時からインターネット環境にある子どもたちは、特に罪悪感もなく、スマホでいわゆる闇サイトからクスリ(違法薬物)を買えてしまう……ちゅうことですね。
それにしても、瀬戸さんだけでなくいろんな人が細かく書いてるのに、まだまだツイッターには「野菜」や「アイス」、「自転車」などが画像付きで売られていますね。野菜は大麻、アイスは覚醒剤、自転車はコカインです。瀬戸さんの本には、もっといろいろ紹介されています。
まあ大麻は「大麻草」という草やから野菜、覚醒剤は使うと血管が冷たくなる感じがするからアイスとか「冷たいの」とかになるんですが、なぜか自転車やチャリはコカインです。
理由は知らなかったのですが、チャーリー・シーンという俳優さんが前にコカインでパクられた(逮捕された)からチャーリー→チャリ→自転車、となったそうです。チャーリーはベトナム戦争の映画『プラトーン』とかが有名なんですね。しかも映画でも大麻を吸ってるんですか。