コラム
仁科友里「女のための有名人深読み週報」

おばたのお兄さん、妻・山崎夕貴アナの年収超えた! 格差解消のいま“嫁姑関係”が気になるワケ

2022/08/18 21:00
仁科友里(ライター)

羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。

写真ACより

<今週の有名人>
「そんなことない」フジテレビアナウンサー・山崎夕貴

『ポップUP!』(フジテレビ系、8月12日)

 お盆に夫の実家に帰ることは、長い間、日本人にとって“当たり前”のこととされてきた。家父長制の名残もあってか、家族のルーツにあたる夫側の祖先の霊を、家族とともに迎え、送り出すことは恒例行事と化している。

 ところが、脱家父長制、多様性の時代だからだろうか、ここ何年かは「夫の実家に帰りたくない」という妻の主張をネット上で見かけるようになった。「女性自身」(光文社)のニュースサイトは2019年に、「夫の実家帰りたくない。妻の帰省ブルー問題がネットで白熱」と報じている。

 確かに、夫は実家ということでくつろげるが、それに比べて多くの妻は、義母の手伝いなど、おさんどんに明け暮れる。揚げ句、義母に子どもの育て方などに文句を言われたら、たまったものではないだろう。加えて、交通費がかさむとなると、さらに憂鬱になるのも頷ける。

 また、仕事を持つ女性が増えた今、休みはとても貴重な時間だ。それなら、そもそも夫の実家に帰省しない、もしくは夫と子どもだけで行ってもらえばよいと考える人が出てきてもおかしくはない。

 義母側の立場から考えてみても、かわいい息子と孫のためとはいえ、息子家族が来るのであれば、家中をきれいにしておかなくてはいけないし、いろいろな出費を強いられるだろう。自分が先頭に立って食事の準備もすることになるから、体力的にも消耗するはずだ。

 とはいえ、今後は「夫の実家に帰らない」ことが日本全体に定着する……ことはないのではないか。なぜなら、家族というのは、女性にとって最大の“ブランド”だと思うからだ。

 自分のほうが相手より優位であると、言葉でもって示す行為を「マウンティング」と呼ぶが、既婚女性の場合、夫の勤務先や年収、子どもの出来で、相手に対して「どちらが上か」を示すことは珍しくない。なぜ自分のことではなく、「夫や子ども」など、家族によって自らの価値をはかるのかというと、「子どもを産んだ女性は稼ぎにくい」日本社会の在り方と無関係とはいえないだろう。

 国立社会保障・人口問題研究所の「第15回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)」(2015年実施)によると、「子育てをしながら、仕事を続けるのは大変だから」という理由で、女性の46.9%が第1子出産後に離職している。

 一方、出産の有無にかかわらずキャリアアップを目指し、仕事を続けても“壁”はある。内閣府「令和3年版男女共同参画白書」によると、日本企業の女性管理職の比率は、20年時点で、部長担当職が8.5%、課長担当職が11.5%と、世界的に見ても低いことがわかっている。

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