『上田と女が吠える夜』たんぽぽ・川村エミコの自虐ネタに考える、「運のいい/悪い」を決めるもの
これらのエピソードを聞くと、川村サンはアンラッキーに思えなくもない。しかし、川村サンは2010年、『めちゃ×2イケてるッ!』(フジテレビ系)のオーディションを勝ち抜いて、人気番組のレギュラーの座を勝ち取っている。オーディションは、実力はもちろん、運が左右する部分も大きいだろう。本当に運が悪かったら、オーディションに合格しないと見ることもできる。さて、川村サンは運がいいのか悪いのか。
運の良さを科学的に解明しようという実験はいろいろ行われている。そのうちの1つが「自分は運がいい」と思う人と、「自分は運が悪い」と思う人のグループに分けて、くじを引かせるものがある。「自分は運がいい」と思う人も、「自分は運が悪い」という人も、くじ運自体にはっきりとした差はないという。つまり、自分は運がいい/悪いというのは、“思い込み”なわけだ。実際に、「自分は運が悪い」と思い込んでしまうと、ラッキーな出来事は排除して、アンラッキーばかり記憶してしまうことが心理学で証明されている。
例えば、動画配信サービス「TVer」で公開された同番組の未公開VTRによると、川村サンが、オアシズ・大久保佳代子の番組に出演した時、こんなアンラッキーに見舞われたことがあったそうだ。大久保サンと2人で酒を飲む番組で、撮影が終わり、その店のトイレを借りようと並んでいたら、ダッチオーブンがいきなり足に落下。大ケガをしてもおかしくないが、川村サンは診察してくれたお医者さんに「運がいいね。何ともないよ」と言われたという。
鉄の塊が足に落ちてきて何ともないとは相当ラッキーだと思うが、「自分は運が悪い」と思い込んでしまうと、そこはスルーして「突然、足の上にダッチオーブンが落ちてきた、アンラッキーだ」と感じてしまう。「運が悪い」という思い込みに基づいて、都合のいい事実だけを集めて、「運が悪い自分」を作り上げてしまうのだ。この理論でいうのなら、川村サンが友人に言われた「不幸にチャンネルが合っちゃってるよ」という指摘は、正解なのだろう。