万引きGメン衝撃! 「玄米泥棒」主婦の犯行を暴露したまさかの人物とは?
「こんな若い女が犯人だとは想像していなかったよ。あんた、これ以外にも何度かやってるよな? 毎週水曜日にきて、玄米を持っていっているだろう?」
「…………」
すっかり黙ってしまったので、事後処理を進めるべく身分証明証の提示を求めると、真っ赤な財布から運転免許証を取り出して提示してくれました。それによれば、女は31歳。この店の近くに実家があるそうで、そこで家族と一緒に暮らしていると話しています。商品を買い取れるか尋ねれば、現金は3,000円ほどしかないので、クレジットカードでしか払えないと答えました。ちなみに、このスーパーは現金取引のみで、電子マネーやクレジットカードを使うことはできません。
「今日、お金払わなかった理由は、なにかありますか?」
「実家で世話になっているんですけど、家賃を払わない代わりに食費を負担することになっていて、7人家族だから大変なんです」
「それで30キロもの玄米を……」
「はい。おいしくて体にいいから……。もし見つかっても、うっかりしていたと言えば大丈夫かなと思っていました。本当にごめんなさい」
どうにもはっきりしませんが、悪いことをしたという意識はあるようで、過去の犯行について触れないまま軽々しく謝罪の言葉を口にした女は、お金を払うためにおばあちゃん(被疑者の母)を呼びたいと言い出しました。きちんと謝ったし、今回の代金(玄米1袋分)を払えば、それで済むと思い込んでいるようです。
スマホ片手に、足を組んでメッセージを送った女は、家は近くだからすぐに来ると話しています。まるで反省の態度がないため、その様子を見ていた社長兼店長が、苦々しい顔で言いました。
「(犯行に)気づかないウチのスタッフも確かに悪いけどさ、こちらからすれば今日だけのことじゃないから、今回は警察を呼びますね」
通報を受けてやってきた男女の警察官に、一連の流れを説明した店長は、過去の被害についても調べてほしいと訴えました。犯歴照会の結果は、該当なし。警察の世話になるのは初めてのようで、女性警察官から過去の被害について聞かれても、知らぬ存ぜぬを繰り返しています。
すると、4歳くらいに見える女児を抱えた初老の女性が、店員の案内で事務所に入ってきました。
「ママ、ばあばとお金持ってきたよ。早く帰ろう」
「うん、ありがとう。お金払うから、ちょっと待ってね」
どうやら状況説明を受けていないらしい2人は、警察官に囲まれる彼女を見て呆然としています。警察官の許可を得て、玄米の精算を受けることになると、大きな玄米袋を持ち上げた社長兼店長を見て女の子が言いました。
「ねえ、ママ。いつものお米、買ったの? 機械に入れるの、あたしも手伝うね!」
「う、うん……」
図らずも子どもに犯行を暴露された女は、その後の調べで過去の犯行も認め、すべて弁償したうえで簡易送致されました。
(文=澄江、監修=伊東ゆう)
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