コラム
【連載】堀江宏樹に聞く! 日本の“アウト”皇室史!!

秋篠宮さまが、小室圭さんの「年収300万円」と「身辺」を問題視しなかった真意

2022/07/02 17:00
堀江宏樹(作家・歴史エッセイスト)

「皇族はスーパースター」と語る歴史エッセイストの堀江宏樹さんに、歴史に眠る破天荒な「皇族」エピソードを教えてもらいます!

gettyimages

――前回から、秋篠宮さまのインタビュー録『秋篠宮』(小学館、江森敬治)を堀江さんと分析しながら読んでいます。前回は、眞子さまと小室さんの婚約内定のニュースがNHKで報道された直後から、小室さんの好ましくない身辺情報が一気に漏れ出しても、宮さまは上機嫌だったというところまで読み進めました。正直、これには驚きました。

堀江宏樹氏(以下、堀江) そうなんですよね。江森さんから「今回の結婚に反対された、ということはありませんか?」と尋ねられても、宮さまは「反対する理由はありません」の一点張り。この時、宮さまが持ち出したのが、なんと日本国憲法の第24条でした。

 「憲法には『婚姻は、両性の合意のみに基いて成立する』と書かれています。私は立場上、憲法を守らなくてはなりません。ですから、二人が結婚したい以上、結婚は駄目だとは言えません」と滔々と畳み掛けられたそうです。江森さんは、それが宮さまの本音だろうかと疑ったのでしょう、質問の角度を変えて迫っています。

 小室さんが当時、年収300万円ほどのパラリーガル(=法律事務の仕事)で、それが生涯の定職と呼べるものではないだろうと江森さんは考え、「小室さんは定職に就いていないのでは」などと聞いたそうなんです。しかし、秋篠宮さまは「不思議そうに(江森さんを)見ながら、『いまのお仕事が定職ですよ』」。

――内親王の夫となるべき男性が「パラリーガルのままでもよい」とする秋篠宮さまの発言は大きな話題を呼びました。

堀江氏 弁護士になる前段階の“腰掛け”の仕事ともいわれることが多い、法律事務所の事務職=パラリーガルですね。そして、年収300万円という「問題」。

 昨今の20代の日本人男性としては、そこまで低くはない収入かもしれないけれど、内親王の嫁ぎ先としてそれは十分なのか、と世間は疑問の声を上げたのです。でも、それを秋篠宮さまは意にも介さなかった。今後もパラリーガルのままでも構わないという認識が秋篠宮さまにはおありだったことを、江森さんは「はっきりと記しておきたい」そうです。

――ここはどう読めばいいのでしょうか?

堀江氏 眞子さまが小室さんを選んだことを喜んでいたということは興味深いです。この時、宮さまは年収300万円でも、二人が「身の丈にあった暮らし」ができるのであれば……とも言っています。

 秋篠宮さまには、皇女という特殊な背景を持つわが娘を、小室さんが素直に受け入れてくれた喜びがあまりに大きかったのかもしれません。皇女の結婚は難航しがちですから。

 こういう言い方は失礼かもしれませんが、秋篠宮さまは世間ずれなさっておられませんので、“お金”という非常にやっかいなファクターを、その気になれば簡単に解決ができる問題だと過小評価していたのかな、と。お金がないことが、清く正しく生きている証しというか。本来は必ずしも結びつくことではないと思うんですけれど。

 本書の中間部分では、宮さまは学者タイプという表現がよく出てくるのですけれど、まさにお金の問題を軽んじたような対応を娘の結婚相手の”査定”においてもしてしまった、ということでしょう。

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