加藤シゲアキの「人生を変えた1冊」読んでみた! NEWSの運命が変わっていたかもしれない言葉も
ライター・保田 そういえば、そんなことあったね〜。やっぱり、これは加藤さんにピッタリの1冊かも。一方で、単純にエッセイとしてもドラマチックで面白いよ。著者は、PTAが「多くの人たちが『さほどそれでいいと思っているわけでもない』のに、誰が作ったのかもよく分からない決め事に縛られて苦しそう」な組織に見えていて、変革したいと思っている。
だけど、PTAの古参役員たちから見れば、それは「自分たちが頑張って作り上げたものを壊そうとしている」ように見えてしまって、当初はぎくしゃくしてしまうんだよね。
編集・B子 どちらも悪意があるわけではないのに、自分を「正義」だと思ってるから、お互いが悪く見えちゃう……って感じ。PTAじゃなくても、よくある話だなあ。
ライター・保田 最終的には相互理解が進んで、協力体制がとれるチームが出来上がるんだけどね。そういう意味では、『寝ながら〜』で学んだ構造主義を、PTAという身近な事例に置き換えて復習できる本かもしれない。前述の「欲するものは、まず他者に与えなければならない」という論も、このエッセイに適用できるところがあるし。
編集・B子 私の周りにも、PTAとの関わりで悩んでる人って多いんだよねえ。そういう人にとって支えになるエッセイになりそう。
ライター・保田 コロナ禍で直面した学校と保護者の戸惑いや葛藤も、つぶさに描かれているよ。著者が「間違いと、思い込みと、(略)挫折の連続」と語るように、成功エピソードだけではなく、自身の失敗や勇み足がつづられているところも役立ちそう。成功した理由より、うまくいかなかった理由から学ぶことのほうが多かったりするし。
編集・B子 シゲにもぜひ読んでもらって、今後の執筆活動の参考になるといいね。