コラム
「元極妻」芳子姐さんのつぶやき134

半グレがヤクザと“コラボ”するメリットとは? 元極妻が考える「ヤカラ」と「絶滅危惧種」の関係

2022/06/19 16:00
待田芳子(作家)

 ちなみに「半グレ」という言葉は、あの溝口敦御大の「命名説」がありますが、昔から普通に使われていましたよ。たとえば安部譲二さんの『スゴめ、サラリーマン! ヤクザ業界に学ぼう出世のキーワード118』(徳間書店、1989年)では、「半分グレている」を語源として、「組織にも属さずに暗黒街をとりわけ柄悪くうごめいている手合いの蔑称」とされています。あくまで「蔑称」なのです。

 また、宮崎学さんの『現代ヤクザの意気地と修羅場 現役任侠100人の本音』(双葉社、2014年)では、現役の組員が半グレを「単なるヤカラ」と断じていました。脅威になどなるわけがないというわけです。ヤカラは、漢字にすると「輩」ですね。

 もとは「先輩」や「後輩」など、同じグループや系列、血族などを意味していたようですが、今は「不平や苦情。また、不平を言ったり口論をしかける者」が第一の定義です。昔は「不逞のヤカラ」とか言いましたね。不逞とは、「不平をいだいて無法なふるまいをすること」「気ままにふるまうこと」だそうです。

 半グレは自由度が高い代わりに組織防衛力が弱いということになりますが、最近はヤクザ組織も資金難ですから、組員の裁判や服役に対する支援体制が整えられなくなっていると聞いています。このフォローこそが「組織らしさ」なんですけど、世知辛いことですね。

待田芳子(作家)

今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻。夫とは死別。本名・出身地もろもろ非公開。自他共に認める癒やし系。著書に『極姐2.0 旦那の真珠は痛いだけ』(徳間書店)がある。

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最終更新:2022/06/19 16:00
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