東京ディズニーシー『アナ雪』新アトラクションを考察! テーマパーク専門家が語る「TDR大改革3つの“ここがすごい”」
――来年、東京ディズニーランドは開園40周年。現在、東京ディズニーシーを含めた大規模拡張が行われ、東京ディズニーリゾート全体が活気づく中、テーマパークの専門家である明治大学兼任講師・中島恵さんがその背景や“見どころ”を解説!
東京ディズニーリゾート(TDR)大改革の3つの“ここがすごい”!
2014年、オリエンタルランド(OLC)が、2023年度までに東京ディズニーリゾート(TDR)の“大改革”を行うと発表してから早8年。一時は空をテーマにした「東京ディズニースカイ」という名の「第3パーク」誕生の報道もあったが、ふたを開けてみたら、東京ディズニーランド(TDL)の大規模開発と東京ディズニーシー(TDS)のエリア拡張にとどまったため、ディズニーファンの中には“ずっこけた”人も多いだろう。
それでも、すでにTDLでは『美女と野獣』や『ベイマックス』の新アトラクションがオープンし、来年度にはTDSに新テーマポート「ファンタジースプリングス」が誕生するとあって、パワーアップしたTDRに期待は高まる。今回の大改革の初期投資額は3500億円で、これは立派な第3パークが成立したくらいの“巨額投資”なのだ。TDL、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)の初期投資額1800億円、TDSの3350億円と比べると、OLCの“熱量”は圧倒的。今回は、そんなTDR大改革3つの“ここがすごい!”を追う。
【その1】「美女と野獣」エリアは“ビフォーアフター”にこそ注目
『美女と野獣』の原作に沿って、フランス東部のドイツに近い田舎町「コルマール」をモデルにしたこのエリアは、20年9月にオープン。カップ型のライドに乗り、物語の世界をめぐるアトラクション「美女と野獣“魔法のものがたり”」、作品に出てくる酒場をイメージしているレストラン「ラ・タベルヌ・ド・ガストン」、大型ライブエンターテインメント「ファンタジーランド・フォレストシアター」(1,500人収容)など、とにかく見どころは盛りだくさんだが、注目はなんといっても、その景観。
「コルマール」で画像検索すると、新エリアにそっくりな街並みの写真が大量に出てきて、その再現度には目を見張る。パリのような都会ではないが、フランスらしく華やか。ドイツ領だった時代もあるのでドイツ建造物の影響も強く、ただ歩いて景色を見るだけで、いろんな発見がある。
実はこのエリア、過去には「グランドサーキット・レースウェイ」という昭和感漂うゴーカートがあった場所。日本の昭和の遊園地が、仏独文化の混ざった美しい街並みのエリアに大変身した点も、ぜひチェックしてほしい。
ちなみに、『美女と野獣』そのままにロマンティックな雰囲気を期待するカップルも多いと思われるが、新エリアなので現在は“激混み”状態。しかもYouTubeの撮影部隊もたくさんいるので、デートに向くかどうかは微妙なところ。